beacon

[MOM1276]國學院久我山FW澁谷雅也(1年)_全国デビュー戦で決勝点演出

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 國學院久我山高 1-0 前原高 駒沢]

「攻撃陣のミスが多く、本当に良くなかった」。苦戦を予想し、最少スコアでの勝利も頭にあったという國學院久我山高だが、ミスの多さから李済華監督の表情は晴れず。そんな中でも、「両ウイングはフィニッシュの一個前でのミスは多かったけど、基本的には良かった。特に前半の澁谷は良かったと思う。体力的には瞬発系なので、長い距離を走らされ、守備の負担も大きいので持たないけど、ウイングの仕事はできていた。そこだけは良かった(笑)」と称えたのは1年生ストライカーの澁谷雅也だった。

 1年生で挑む選手権という大舞台。「家にいる時は緊張があったけど、グラウンドに来てしまえばあんまりなかった」という肝の強さを見せた彼の見せ場はすぐに訪れた。前半3分に中盤からのロングボールを左サイドの高い位置で受けると、「スペースがかなりあったので、思い切って行った」と鋭いドリブル突破で前進し、ゴール前にパスを展開。FW小林和樹(2年)の先制点をお膳立てした。その後も、「裏をとるプレーとドリブルには自信がある」と胸を張る仕掛けでチャンスに絡むだけでなく、「(前原は)後ろで回してくるイメージがあったので、前でハメて獲っちゃえば、ゴールに近い。試合前から攻撃陣で話していた」との言葉通り、前線から果敢にボールを奪いにいき守備でも貢献した。

 後半は「前半、飛ばし過ぎて足に来ていた」と動きは落ちたものの、後半27分に交代で退くまで前線からチームを牽引。1年生とは思えない堂々たるプレーを見せたが、「勝てたのは良かったけど、個人的にはボールを失うことが多かった。自分は点を獲ることが仕事だと思っているので、今日の出来は40点くらい」と悔しさを口にした。

 中学時代は李済華監督が代表を務めるジェファFCでプレー。先輩の多くがプレーする國學院久我山のプレーを目にして、「面白い」と憧れを抱いていた。昨年も先輩たちが涙を飲んだ開幕戦の熊本国府高戦をスタンドで観戦。「昨年はあれだけ良いサッカーをしても負けたので、『来年は自分が入って借りを返したい』と思っていた」。

 高校に入ってからは「全国でもトップクラスのメンバーだと思う」という主将の内藤健太花房稔(ともに3年)らDF陣との練習を重ねることで、「これまでは慌ててドリブルをしていたけど、最近は自分の間合いで落ち着いてプレーできるようになった」と成長に手応えを感じている。「一戦一戦、しっかり戦うことが目標。自分としても、チームとしても、しっかり戦って、先輩たちの役に立ちたい」と憧れだったチームでの更なる活躍を誓った。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 森田将義)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2014
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2014

TOP