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[選手権]病床の指揮官に勝利の報告を…昨年度準V星稜「壁を乗り越えれば強くなる」

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 第93回全国高校サッカー選手権大会が12月30日に開幕。2日には2回戦が行われる。2回戦からの登場となる昨年度準優勝校・星稜高(石川)は、鹿児島城西高(鹿児島)と対戦する。

 名門の底力が試されている。星稜高を悲劇が襲ったのは26日、静岡県御殿場市で行う最終調整に向かう途中、サッカー部員を乗せたバスを先導する形で走っていた、河崎護監督を乗せた乗用車がガードレールと接触。命に別条はなかったが、同監督は腹部を打ったため、愛知県内の病院に搬送され、手術を受けた。全国大会を前に、指揮官不在という想定外の事態を余儀なくされることになった。

 イレブンは指揮官不在のまま最終調整を行い、決戦の地に入った。DF鈴木大誠主将(3年)は「動揺はないです」と強がったが、「どこかで物足りなさもあった」と本音も覗かせる。ただ「そこは切り替えて、監督がいない分、自分達がやらないといけないと思ってます」と力を込めた。

「高い壁を乗り越えれば強くなれると思う。注目されているにしても、今年は今年の特色を出して新しい目標をもって取り組んできたので、あまりプレッシャーも感じてないです」

 初戦は2日、NACK5スタジアム大宮で行う鹿児島城西戦になる。いきなりの強豪校対決となるが、鈴木主将は「どこのブロックを見ても強豪校は揃ってますし、強豪校と当たることが嫌なことではないです」とキッパリと話した。病床の監督に心配をかけさせるわけにはいかない。勝利の報告が一番の良薬となるはずだ。
(取材・文 児玉幸洋)
【特設】高校選手権2014

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