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[MOM1280]開志学園JSC高MF石塚功志(2年)_先発唯一の2年生MFが開始1分弾!!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 宇治山田商高 2-3 開志学園JSC高 ギオンス]

 先発唯一の2年生MFが結果を残した。開志学園JSC高(新潟)は宇治山田商高に3-2で勝利し、初戦突破を果たした。初の選手権出場で勝ち取った白星。開志学園JSC高にとって、歴史に残るであろう“選手権初ゴール”を決めたのは、MF石塚功志(2年)だった。

 開始わずか1分、左サイドでボールをつなぐと、最後はゴール正面へ詰めていた石塚が冷静に右足シュートを決めた。先発11名のうち、10人が3年生という状況。唯一の後輩MFが値千金の先制点を奪ってみせた。

 初出場の開志学園JSC高にとっては、創立以来初となる選手権でのゴール。試合後、石塚は「(選手権初出場と)歴史を変えた中でのファーストゴール。初出場したなかでチームで一番最初にゴールできたのは嬉しかった」と笑顔をみせるも、「守備の面ではもっといけたのではと思う」と貪欲に語った。

 開志学園JSC高の宮本文博監督も、開始1分の先制弾を「あんなに早く(ゴールが)来るとはびっくり」とおどけながらも、石塚を賞賛。「彼はただ一人先発のなかでの2年生。新潟県選抜に入っているし、試合経験も豊富で大舞台には強い子。今日も後半途中から1トップに入るのは初めての形だったが、それにも対応してくれた。2年生なのに色々な場所で経験したことが活きている」と称えた。

 本人は「今日は試合の途中でイライラしちゃったから、どっこいどっこいですかね」とハニかんでいたが、指揮官は「すごく勝気な子。それが逆に出てしまう面もあるが、きょうは開始1分の点で乗った。彼のいいところはすべて出せたんじゃないか」と褒めちぎった。

 石塚は両親へ感謝の思いを胸に戦っている。小学生のときから“ヤンチャ”で「両親には本当に迷惑をかけていた」と話す。それでもサッカーには真摯に取り組み続け、高校からは単身新潟へ。FC多摩ジュニアユース出身だが「自分の中で開志の設備、環境が気に入って、呼ばれた中で一番いいところだった」と決断したのだという。家族と離れた新潟での慣れない寮生活。試練の日々を過ごす中で、“ヤンチャ”だったときと比べ、「大人になったな」と多くの人に言われるほど内面も成長した。その姿を全国の晴れ舞台でみせ、両親へ「恩返しをしたい」のだという。

「初出場なので一戦一戦を大事に戦うのはもちろん。全国制覇を目指して頑張っていきたい」と石塚は先を見据えた。2回戦を制した開志学園JSC高は、あす3日に行われる3回戦で日大藤沢高(神奈川)と戦う。

(取材・文 片岡涼)
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
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