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[選手権]京都橘FW中野、10番の重圧に打ち勝つ決勝点

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[1.2 全国高校選手権2回戦 第一学院高0-3京都橘高 味フィ西]

 背番号10のひと振りで試合の流れを引き寄せた。京都橘高(京都)は0-0で迎えた後半15分、DF小川礼太(2年)の縦パスから左サイドのスペースに抜け出したFW中野克哉(3年)がドリブルで持ち上がり、角度のない位置から左足を一閃。豪快にニアサイドを破り、先制点を奪った。

「ワンチャンスを狙っていた。前半、チームに迷惑をかけた分、自分がやらなきゃと思っていた。ニアの上を狙って、思い切って打つしかないと思った」。立ち上がりからなかなかリズムに乗れず、0-0で折り返した前半は中野自身、思うようなプレーを見せられなかった。

 米澤一成監督は「一発で試合を変えてくれた」と、中野の先制点を称える一方、「彼にしたら今日は納得いく試合じゃないと思う。前半のイライラした感じを明日以降の教訓にして生かしてほしい」と、期待が大きい分、叱咤も忘れなかった。

 1年時から経験している全国高校選手権だが、「慣れているかなと思ったけど、初戦の緊張もあった。あらためて初戦の難しさを感じた」と振り返る中野自身、「前半は特にボールが足に付かなくて、自分の思ったプレーができなかった」と反省する。

 準優勝した前々回大会はFW仙頭啓矢(現東洋大)とFW小屋松知哉(現名古屋)の2トップがゴールを量産し、小屋松が最終学年となった前回大会もベスト4。小屋松が付けていた10番を継承するなど、偉大な先発たちからエースを受け継いだプレッシャーもある。

 前回大会はノーゴールに終わっており、全国高校選手権でのゴールは1年時の前々回大会準々決勝・帝京長岡戦以来、2得点目。「僕が点を取らないとチームが負けるぐらいに考えている。去年は小屋松先輩がいて、頼っているところもあったけど、今年は自分がやらないといけないと思っている」。重圧に打ち勝っての決勝点。悲願の全国制覇へ、168cmの小柄な10番がチームを引っ張っていく。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)
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