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[MOM1282]星稜DF鈴木大誠(3年)_かつて「太刀打ちできなかった」FWにリベンジ完遂!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 鹿児島城西高 0-0(PK3-5)星稜高 NACK]

 J内定の注目FWにリベンジした。星稜高CB鈴木大誠主将(3年)はこの日、ジュビロ磐田内定の鹿児島城西高FW岩元颯オリビエ(3年)とマッチアップ。「凄く楽しかったです」と80分間を振り返った鈴木は、岩元に決定的な仕事をさせずに完封した。FW森山泰希(3年)をはじめ、前線から相手を追い回したチームメートのおかげでその攻撃が制限されていたことは間違いない。それでも最終ラインで構える鈴木の存在感は抜群だった。「絶対に触らせないつもりでした。ボールを持たれる前にという意識でプレーした」と振り返ったように、鈴木は個の強さを発揮して岩元へ入ってくるボールを次々と跳ね返す。22分には岩元へ入ってきたところをパワーでねじ伏せると、直後には岩元への縦パスをスライディングでカット。「凄くいい選手で体も強くて、ゴールに向かう姿勢がある。何回か危ないシーンがあった」と振り返ったが、得点を許さなかった。

 鈴木にとって、岩元は因縁の相手だった。中学時代のトレセンリーグで奈良県選抜の鈴木は当時京都府選抜だった岩元と対戦。試合は0-4で完敗、それも岩元に2ゴールを決められたという。「結構ボロボロにやられました。名前でビビッていましたから。オリビエってヤツおるらしいで、と。見たら分かりますし、10番背負っているし、(当時は)威圧感しかなかったですよ。太刀打ちできませんでした」。その後U-16日本代表候補に選出された岩元とは当時、決定的と言えるくらい差があったかもしれない。それでも1対1、フィジカル強化に励んできた鈴木はこの日見事に無失点に封じこみ、「きょうはリベンジしてやるという気持ちが強かった。無失点に抑えられて良かった」と喜んだ。

 CBでコンビを組む高橋佳大(3年)とは互いのプレーを参考にしながら成長してきている。彼の良さであるフィジカル、対人プレーの強さを学んだ鈴木はこの日潰し役として力を発揮。一方、鈴木から空中戦の強さを学んだという高橋もエアバトルで負けなかった。チームメートと切磋琢磨しながらよりその守備を強固なものにしている。そのチームは4試合連続完封で決勝進出した昨年と同じく完封発進。鈴木自身、雰囲気が昨年に似てきていると実感している。「チームのまとまりとかは、去年と似たようになってきていると思う。あすからもっといいプレーを。気持ちでやるしかない」。この日、数年越しの雪辱を果たした鈴木は、悲願の日本一へ向けてチームのために戦い抜く。

(取材・文 吉田太郎)
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