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[選手権]磐田内定の鹿児島城西FW岩元は無得点敗退、「大事な試合で点取れるFWに」

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[1.2 全国高校選手権2回戦 鹿児島城西高 0-0(PK3-5)星稜高 NACK]

 「大迫越え」に挑戦した大会はわずか1試合で幕を閉じた。鹿児島城西高のFW岩元颯オリビエ(3年)は08年度大会で得点王に輝いたFW大迫勇也(現ケルン)が当時背負った「9」の後継者。今大会の目標は大迫の世代が成し遂げた全国準優勝を越える日本一だった。「大迫さんたちができなかった優勝を。ボクタチの時代で新しい歴史をつくっていきたいと思います」。その目標のために全力で戦ったが、星稜高の堅守の前に岩元も力を発揮することができず、PK戦の末に涙をのんだ。

 1月の終わりに家庭の事情によって京都U-18から地元・鹿児島の鹿児島城西に加入した。「何かしら城西に恩返ししたいという思いが強い」と語るFWだが、全国高校総体予選では鹿児島実高との準決勝で沈黙し、敗退。それから「(相手)DFが来るのは分かっているので、チャンスを決めるというのもあるし、チャンスじゃなくても決める。チャンスじゃないのを自分でチャンスをつくり出す」という部分にこだわってトレーニングに取り組んできた。

「恩返し」のための選手権。予選を勝ち抜き、全国までたどり着いた。ここからが本当の勝負だった。その中で迎えた星稜高との初戦でチームは大会屈指のCB上夷克典(3年)中心に相手の攻撃を封じたが、岩元を含めた攻撃陣が不発。岩元は前半15分にタイミングのいい抜け出しで相手DFの脅威となると、後半11分には再び相手の背後を突いて右足シュートを打ちこんだ。ただ、シュートはこの1本のみ。10人で戦う相手を攻めきれないまま後半を終えると、PK戦では5人目のキッカーだった岩元が蹴ることなく3-5で敗戦が決まった。

「しっかりとゼロに抑えてもらっていた。点取れば勝てた試合だった」と言葉を絞り出した岩元は「実力不足かなと思います。トレーニングを積まなければいけない。きょうみたいな大事な試合で点取れるFWにならなければいけない」。することができなかったと悔やんだ恩返しは、プロ入り後の活躍で必ず果たす。

(取材・文 吉田太郎)
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