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[MOM1293]流通経済大柏GK瀬口隼季(2年)_2戦連続PKストップ!「1本なら止められるかな」と余裕見せる立役者

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 流通経済大柏高1-1(PK5-3)矢板中央高 フクアリ]

 2試合連続でのPK戦……。1回戦に続いて流通経済大柏高(千葉)を勝利に導いたのは、GK瀬口隼季(2年)だ。矢板中央高(栃木)の3人目を見事にストップ。「PK戦は絶対GKだよ。GKが止めれば勝つから」と本田裕一郎監督は、常々口にしていたというが、「1本なら止めれるかな」と瀬口は余裕をもって臨むと、指揮官の言葉を見事に体現し、チームを3回戦へと導いた。

 県大会ではメンバー外だった瀬口だが、選手権ではGK登録の3選手の中に入った。それでも「正直、3番手かなと思っていた」(瀬口)。しかし、出番は突然やってくる。1回戦の試合終了間際に、正GKの鳥井翔太(3年)が負傷すると、PK戦から途中出場(競技規則では、交代枠が残っている場合、PK戦を行っているときもGKの負傷時に限り、GKの交代が認められている)。「いつでも試合に出られる準備はしていた」樋口は、作陽高(岡山)の8人目を止めて勝利をつかんだ。そして2回戦では、公式戦初先発をはたした。「全然問題なく入れました。結構楽しみながらできました」。その淡々とした話しぶりには、頼もしさすら覚えるほど。キャプテンマークを巻くDF廣瀧直矢(3年)は「こういう舞台に緊張しないんですかね(笑)。ふてぶてしく、堂々とやってるので不安はない」と讃える。

 湘南ベルマーレU-15平塚出身の瀬口は、「ユースに上がれなくて。できるだけ強いところでやりたいので、日本一を目指せるチーム」ということで流経大柏に進学。07年度に選手権、昨年は高円宮杯も獲得している“高体連の雄”では、「Jの組織より厳しい」サッカー生活が待っていた。「寮生活なので、皿洗いや、洗濯とか、自立ができている。私生活の部分でメンタルが成長できた」。選手としてだけでなく、人間としての成長が、自身のレベルアップにつながったと実感している。

 本田監督は「いまのところまだ控えめ」とプレーについて分析するが、「ベルマーレから来ているから、きっちり基本を教わっている」と技術には太鼓判。「飛び出しは鳥井よりも上」とも評価する。

 小学生のときに「その場の流れで」GKを始めた樋口だが、現在はイケル・カシージャス(レアル・マドリー)やティボー・クルトワ(チェルシー)を参考にし、「プロ」という目標がある。頼もしい新守護神ともに、流経大柏は7年ぶり2度目の優勝を目指す。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)

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