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[MOM1294]水橋MF佐藤圭介(3年)_スタメン落ちから「吹っ切れて」出場5分で決勝弾!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 水橋高2-1明徳義塾高 フクアリ]

 スタメン落ちの悔しさをバネにかえた。「最後の崩しの部分で変化が必要」と感じた水橋高(富山)の上田裕次監督は、1-1の状況の後半36分にMF佐藤圭介(3年)をピッチに送り込む。「今日北野の調子がすごいよくて。『代わりに出るんだからそれ以上のプレーをしてこい』と言われた」。先制点を挙げたFW北野剣士浪(3年)との交代にあたって、コーチからはっぱをかけられた。

 するとその5分後に、指揮官の采配は実を結ぶ。MF吉川育良(3年)が個人技で明徳義塾高(高知)守備陣を切り裂くと、ゴール前でフリーになっていた佐藤へ。「吉川がいいボールを出してくれたんで、自分は決めるだけだった」。後半41分に生まれた決勝点は、水橋を16年ぶりとなる選手権勝利に導いた。

 佐藤にとって北野は「刺激になる存在」だ。今秋の県大会、両者の関係は逆転した。「もともと北野がスタメンだったんですけど、準々決勝から急に自分がスタメンになった」(佐藤)が、選手権緒戦で再び関係は逆転。北野がスタメンに名を連ね、佐藤はベンチを温めた。「メンバー発表されたときは悔しかったんですけど、自分が北野の代わりをすればいいんじゃないかと、吹っ切れた部分もあった」。背番号13は、活躍のときを待っていた。

「圭介もやってくれるので、あとは任せたぞという気持ちでした」。小学生のときから県の選抜チームでともにプレーしてきた、よきチームメイトであり、よきライバルでもある北野の想いに応えた佐藤を「立場が変わってもチームのために戦ってくれた」と上田監督も賞賛する。

 次戦の流通経済大柏高(千葉)は、千葉県大会決勝の映像でチェック済みだ。「優勝候補に食らいつくことができるか楽しみな部分もある」。難敵との対戦に胸を躍らせていた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)

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