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[選手権]敵将も脱帽のスーパーゴールで流れ引き寄せた立正大淞南が2大会ぶり8強

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[1.3 全国高校選手権3回戦 尚志高0-2立正大淞南高 フクアリ]

 第93回全国高校サッカー選手権は3日、各地で3回戦を行い、フクダ電子アリーナの第2試合では尚志高(福島)と立正大淞南高(島根)が対戦した。前半32分に先制した立正大淞南は後半12分にも追加点。2-0の完封勝利でベスト8進出を決めた。5日の準々決勝では流通経済大柏高(千葉)と対戦する。

 勝った立正大淞南の南健司監督が「ずっとボールを持たれる苦しい展開。最終ラインがよく弾き返して、セカンドボールを拾ってくれた。苦しい時間をよく粘れた」と振り返ったとおり、序盤は尚志がリズムよく試合を進めていた。

 ところが、尚志の仲村浩二監督が「スーパーシュートでペースを握られた。ああいうシュートが出るのが強いチームなんだなと。感心しました」と脱帽する“伏兵”の一撃で立正大淞南が流れを引き寄せた。

 前半32分、こぼれ球を拾った右SB平田健人(3年)がPA手前から右足を一閃。アウト回転のかかった豪快なミドルシュートがゴール右上隅に突き刺さり、立正大淞南が1点をリードして前半を折り返した。

 ハーフタイムに両チームが2選手ずつ交代し、後半を迎えたが、この交代策でも明暗を分けた。尚志は1回戦・広島皆実戦(2-0)で左足の負傷を悪化させ、2回戦・聖和学園戦(3-0)を欠場したエースのFW林純平(3年)を投入。仲村監督も「走れないが、シュートを持っている。何かあるかなと期待した」と認める強行起用だった。

 2本のシュートを放つなど前線で奮闘した林だが、やはり本来のプレーを見せることはできず、無得点。一方の立正大淞南は後半開始から出場したMF高田雅貴(3年)が後半12分に貴重な追加点を決め、南監督の期待に応えた。

 2点を追う尚志はMF稲村知大(3年)のロングスローも駆使し、攻勢を強めるが、立正大淞南守備陣も体を張って反撃を完封。試合終盤の後半38分からはDF竹中颯生(3年)をスイーパーに入れる5-4-1の布陣で逃げ切った。「守備陣が全員、安定していた。たまに凡ミスもあるけど、今日は最後まで集中できたことがよかった」。指揮官も納得の完封勝利で2大会ぶりの準々決勝進出を決めた。

(取材・文 西山紘平)
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