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[MOM1299]静岡学園MF旗手怜央(2年)_夏の王者沈めたMF、先制弾決めて“ヒガシのクリロナ”封じ!!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 東福岡高 0-3 静岡学園高 ニッパ球]

 パンチ力は名門・静岡学園高屈指。MF旗手怜央(2年)が夏の王者・東福岡高を沈める先制ゴールを奪った。0-0の後半24分、静岡学園は左CKを得ると、MF名古新太郎(3年)のキックのクリアボールが中央、PA外側で構える旗手の下へ転がる。「こぼれてきたらシュートを打つと決めていた。相手が寄って来ていてそこでトラップして変に獲られるよりも、思い切って打った方がいいと思って、打ったのがああいう形になった」。右足ダイレクトで打つと決断した旗手が「思い切り打つと浮いちゃうんで抑えながらあそこを狙いました」という一撃は、ゴール前の密集を抜けてそのままゴールネットへ吸い込まれた。

 ともに決め手を欠いた展開の中で決めた値千金の一撃。加えて旗手は守備の貢献度も大きかった。左MFとして出場した旗手の対面の選手は“ヒガシのクリロナ”ことヴィッセル神戸内定のMF増山朝陽。世代を代表するサイドアタッカーである増山は、この日強引な突破でボールを引っ掛けながら前進し、チャンスをつくっていたが、サイドの局面で旗手は必死に対抗。サイドチェンジをケアし、ボールが入って際は縦へ抜けるコースを消して自由に攻撃させなかった。競り合いで「ビクともしなかったです」と苦笑いした旗手だが、「本当に一個上という感じではなくて、ガタイもいいし、スピード、テクニックと自分を上回っていて大変だったんですけど、後ろの光澤さんが助けてくれたので自分だけじゃなく、後ろの人の支えもあって抑えることができて良かったです」。増山に決定的な仕事をさせなかったことが、またチームを白星へと近づけた。

 旗手の父・浩二さんは高校野球の名門・PL学園高(大阪)のショートのレギュラーとして3年時に春夏連続甲子園準優勝を経験。プロ野球で一時代を築いた「KKコンビ」こと清原和博氏、桑田真澄氏の1学年先輩に当たる。全国トップレベルの戦いを経験している父から「(全国大会では)楽な展開はない。厳しい試合があると聞いていた」という旗手は厳しい試合になることを承知で戦い、後半に訪れた1チャンスでヒーローになった。「日本中の人が(東福岡が)勝つと思っていたと思うんですけど、勝てたんで日本中の人を驚かせることができた」と胸を張ったMFの目標は全国制覇。「みんなが一生懸命応援してくれるから勝てている」と感謝する旗手が日本一になるために、これからの試合でも攻守両面でチームのために戦い抜く。

(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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