beacon

[MOM1300]前橋育英DF宮本鉄平(3年)_責任感が生んだ2戦連続のヘディング弾

このエントリーをはてなブックマークに追加

[1.3 全国高校選手権3回戦 前橋育英1-1(PK6-5)山梨学院高 駒沢]

 決定力不足のチームを救う一撃となった。前橋育英高の山田耕介監督は、攻撃陣について「不発ですよね。マークが厳しいのがあるかもしれないけど、もう少しやらないといけないですよね」と、苦言を呈したが、2試合連続でゴールを決めたDF宮本鉄平(3年)については、「トレーニングマッチでは何回も見ていたけど、あんなにきれいに決まったのは、見たことがなかったね」と、目を細めた。

 0-1で迎えた後半10分、MF渡邊凌磨(3年)がCKを蹴るために、助走を始めたとき。他の選手たちが、ニアポスト前に突っ込んでいく中、宮本は一人ゴールから離れた位置にいた。そこからボールに合わせて走りこみ、相手DFと競り合いながら、打点の高いヘッドでゴールネットに突き刺した。

 初戦の初芝橋本高戦での決勝点に続く、2試合連続のゴールだが、微妙な駆け引きがあったことを明かす。前日の初芝橋本高戦では、よりゴールから遠い位置にいたが、この日は少し前の位置から助走を始めたと明かす。「相手も(昨日のゴールを)意識すると思ったので。一つ前から入れば、行けるかなと思っていました。手前に入れたので、あそこで(点を)取れたのだと思います」と、会心の一撃を振り返った。

 責任を感じていた。後半2分の失点場面では、カバーに入るつもりが、FW宇佐美祐樹(3年)を止め切れなかった。「まだ時間が残っていたから、焦りはなかった」と言う宮本だが、「今日の失点は自分が絡んでいたので、取り返そうと思って(ゴールを)狙っていました」と、ミスを挽回するチャンスをうかがっていたという。

 1-1のまま臨んだPK戦では、サドンデス最初のキッカーを務め、しっかりとゴールを決めた。過去2大会ではPK戦で涙をのんでいたこともあり、山田監督は「選手たちは知らないかもしれないけど、これまでPK戦で勝てなかった悪いジンクスを払しょくできた。これまであまり取れていなかったCKからも点を取れている」と、手応えも口にする。

 殊勲の宮本は「前線が、もうちょい点を取れると思うし、次の試合はやってくれると思う。守備はしっかり守ることが大事」と言い、「それでも点が取れなかったら、常にCKは狙っているんで」と3試合連続ゴールに色気も見せていた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 河合拓)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2014
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2014

TOP