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[MOM1302]日大藤沢MF田場ディエゴ(3年)_「きょうは凄い」“日藤のマラドーナ”が自画自賛のプレー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 開志学園JSC高 0-3 日大藤沢高 ニッパ球]

「オレ結構、波ある人で。ヒドい時はだいぶヒドくて。でも、きょうは凄い、と思った」。“日藤のマラドーナ”こと日大藤沢高のMF田場ディエゴ(3年)はこの日、自身でも「絶好調」だと感じていた。ハーフタイムには自らの口から「絶好調」とチームメートに告げるほど。「抜けない日はパスで逃げるというか、周りを使おうって。行ける時は全部自分で行こうという感じですね」。この日は「絶好調」の田場が自分で仕掛けて、決めて会場を大いに沸かせた。

 前半、その圧倒的なボールスキルや局面を一発で変えるロングパスでチームの中心となっていた田場は22分、右中間でパスで受けると単独で開志学園JSC高の守備網に切れ込んでいく。「ボールが吸い付いて抜けた感じだった」。コントロールからDF2人の間を突破するとカバーに入ったCBも抜き去ってラストパス。これをMF中村恒貴(3年)が右足ダイレクトでゴールへ押し込んだ。圧巻のアシストでチームに先制点をもたらした田場は22分にも右サイドで距離の長いドリブルからクロス。これはDFに阻まれたが、こぼれ球を拾ったMF佐藤拓(2年)が右足ミドルをゴールへ叩き込んだ。

 そして40分、田場は3試合連続となるゴールを記録する。PAへの飛び出しで佐藤からのループパスを引き出すと、距離を詰めてきたGKの目前でコントロール。ボールとGKとの間に身体を入れると、GKから離れながらターンして右足シュートをゴールへ叩き込んだ。これで得点ランキング首位タイの3得点目。1年時に神奈川県選抜で10番を背負うなど期待を集めた一方、今夏から選手権予選終了までは先発落ちを経験していた。当時は「国体の時とか結果出せない方が多かった。期待されているのに結果出せないことの方が多くて・・・」と語っていた逸材が、ついに覚醒。期待に応えるプレーを披露している。「自分の課題は1試合通して走り切れないところ。ディフェンスもできないんですよ」と口にしていた課題もチームメートたちの支えを受けながら全力でカバー。かつては1試合で1、2度沸かせるだけで終わっていたような10番が最後まで献身的にハードワークしていた。

 試合中にも波があることなどまだまだ課題はあるが、テクニックは今大会随一と言えるレベルにある。両親ともにペルー人で曽祖父が日本人。“英雄”ディエゴ・マラドーナに由来する名前を持つ「藤沢生まれ藤沢育ち」の“マラドーナ”が、チームとともに全国舞台でさらなる歴史を刻む。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
※写真は1回戦

(取材・文 吉田太郎)
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