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[MOM1304]星稜FW森山泰希(3年)_盟友を信じて送った決勝アシスト

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.5 全国高校選手権準々決勝 履正社高 0-1 星稜高 駒場]

 準々決勝へは仲間が導いてくれた。2回戦の鹿児島城西戦で退場した星稜高FW森山泰希(3年)は、3回戦の米子北戦は出場停止のため、仲間の戦う姿を見守ることしかできなかった。「ここで負けたら自分の高校サッカーが終わるんやなという気持ちもありましたが、試合が始まってからは『あいつらなら絶対にやってくれる』と信じて見ていました」。その言葉どおり、チームメイトは2-1の勝利を収めて森山が再びプレーする機会を作ってくれた。

 出場停止の3回戦では荷物を運び出すなど、ピッチ外の仕事でチームを支えた。木原力斗監督代行が「前の試合はチームのサポートをしっかりしてくれました。だから、今日の試合はすごく気合いが入っていましたね」と語ったように、仕事場であるピッチ上でチームの勝利のために戦い続けた。

 守備に回る時間が多い中、前線からのチェイシングを怠らずに相手選手に自由を与えず。少ない攻撃の機会では、体を張ったキープから何とかボールを運ぼうと奮闘した。そして、スコアレスのまま迎えた後半10分に大仕事をやってのける。MF藤島樹騎也(3年)からボールを受けると正確なクロスを供給して、FW大田賢生(3年)の決勝ゴールを演出した。

 宿舎では同部屋、ピッチ上では2トップを組む大田との連係には自信があり、「ボールを持ったときに賢生があそこに走り込むのは、ずっと練習をしてきたので分かっていました。僕はそこに蹴り込むことだけに集中して、あとは賢生がうまく合わせてくれました」と盟友との息の合った得点に笑顔を見せた。

 しかし、後半22分に右ふくらはぎを負傷するアクシデントでピッチを後にする。またもやピッチ外から試合を見守ることとなったが、チームメイトがその1点を守り抜いて勝利を手にした。試合後には「(ケガは)大丈夫だと思います」と語ると、「今年の星稜は勝負強さがあります。全員で守って全員で攻める星稜らしさを見せられるように準備をしたいし、賢生と2人で崩す場面も見てほしいです」と準決勝へ思いを馳せた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)
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