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[MOM1307]前橋育英FW青柳燎汰(3年)_「見てろ!」監督の雷に奮起して奪った2ゴール

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.5 全国高校選手権準々決勝 前橋育英高4-0京都橘高 フクアリ]

 名門で背番号9を背負うFW青柳燎汰(3年)は、並々ならぬ決意を持って準々決勝に臨んでいた。「すごい気合いが入っていた」と主将のMF鈴木徳真(3年)も目を見張る。それほどの気迫が籠っていたのには、試合前夜に理由があった。

「宿の様子がダメだった」。夕飯時の選手の態度に、山田耕介監督の怒りが爆発した。その矛先は特にFW陣に向かっていたという。「リラックスしていたほうがいいかなと思って笑っていたら、笑い声がでかすぎちゃって(苦笑)。そういう気持ちだと負けると言われました」。自ら「主犯」と名乗り出る青柳は、逆鱗に触れたワケを振り返った。

 そして迎えた京都橘戦。「見てろ!」と試合に入った青柳は、わずか8分で先制ゴールを決める。MF渡邊凌磨(3年)の浮き球に、阿吽の呼吸で反応してスペースに走り込むと、シュートの前にはGKのポジションを確認する余裕も見せていた。「いいボールがきたのでゴールに流すだけ。(GKの)頭の上を越せば入るなと思ったんですけど、あんなにうまくいくとは」。自画自賛のループシュートで大会初得点を記録した。

 さらに、37分にはタッチライン際までドリブルでえぐったDF下山峻登(3年)の鋭いクロスから2点目。シュート2本で2ゴールを奪ってみせると、後半にも3本のシュートを放つなど、最後まで貪欲に攻め続けた。

 これで今夏の総体に続いての4強入り。夏の準決勝は、0-1で大津高(熊本)に敗戦しており、チームにとっても、青柳個人にとっても苦い記憶となっている。「決勝を懸けた大津との試合でシュートを打てなかったので、今度は自分が先制点を取って楽な試合展開にしていきたい」。2戦連発に期待がかかる。

「ストライカー的な能力を持っている。『その状態で(シュートを)打つの!?』っていうときがたまにある」、「前にタレントがいて幸せですね」。U-19日本代表・鈴木をもうならせる点取り屋が、前橋育英を初の選手権決勝の舞台へと導く。

(取材・文 奥山典幸)

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