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本田が語るアジア杯連覇のカギ「きれいなサッカーより凡ミスを減らすこと」

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 求めるのはスタイルの美しさではない。結果だ。目指すのはあくまでアジア杯優勝だ。

 前回大会のMVPであるFW本田圭佑(ミラン)が、連覇のための心得について言及。「きれいなサッカーを求めないほうが良いし、自分たちもそれは期待しないほうがいい。非常にシンプルな考え方だが、凡ミスを減らすことが結果的にチャンスを増やすことにつながると思う。良いサッカーをしようとするよりは、ミスを減らそうという考え方も大事」と、結果にコミットすることを強調した。

 背景にあるのは、W杯とは違い、アジア杯では引いて守るチームが多くあるということだ。「引いてくるとスペースがないので、無駄なミスをなくすことが一番大事になってくる」というのだ。加えて、カウンターの危機にさらされないためという意味合いもある。「(カウンターを防ぐことで)DFも良い形で守れればいいなと思っている」と、後ろのマネジメントにも気を遣った。

 “付き合い方”が難しいのは暑さだという。9日の練習時の気温は25度前後まで下がっていたが、本田は「暑い。まだ(オーストラリア入りしてから)10日しか経っていないが、慣れるにはもう少し時間がかかりそう」と顔をしかめた。パレスチナ戦のある12日までに100%に持っていきたいと言いながらも、「今はまだ6、7割」と渋面を浮かべた。

 けれども、暑さによる体力消耗を防ぐことに気をとらわれすぎるのも懸念材料だと本田は思案気に言う。「この暑さだが、前に行かないというのはそれはそれでよくないこと。(4日の)練習試合でカウンターアタックがあまり出なかった。暑い中でも行けるときには行くという勇気も必要。ただ、コンディションとともに質も上がっていくと思う」

 もちろん、質を上げたいのはカウンターだけではない。前線と中盤にコンビネーションを上げていくことが日本のベースの強さになっていく。本田が考えているのは、インサイドハーフでの先発が濃厚なMF香川真司、MF遠藤保仁と3トップとの連係だ。

「インサイドハーフの彼らがボールを持ったときというのが一番得点率が高まると思っている。前線の3人は彼らがボールを持ったときにどこに位置しているか。そこから動き出すというよりは、その時点で勝負あるようなポジションを取っておくということが重要だ」と力を込めた。

 とはいえ集まって練習する時間が少ないという代表チームのジレンマも毎度のことながら感じている。「普段は(香川)真司はドルトムントで、ヤットさん(遠藤)はガンバ。前線の選手も(所属チームが)違うので、求め方もおそらく違う。要求はするが、クセをもっと見極めようとしないといけない。味方に簡単に合わせられるものではない」

 だが、大会は待ってはくれない。「あと3日で十分か?」と聞かれると「プロだから、十分だと言えるようにしないといけない。W杯とは求められていることが違う。アジア杯ではより慎重に入るべきだと思っている」と答えた。質実を追い求める背番号4がアジア杯で日本を牽引する。

(取材・文 矢内由美子)

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