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インサイドハーフで先発濃厚の香川「90分で10回は飛び出したい」

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 ブラジルW杯での失意、昨夏に請われて復帰移籍したドルトムントでの不調。それらをすべて吹っ飛ばし、日本を連覇に導くべく、MF香川真司(ドルトムント)が威勢の良い声を上げた。

 冬は極寒になる欧州で4年半過ごした体にはつらい暑さのオーストラリア。しかし、背番号10は「コンディションは言い訳にはできない。逆にいいと思う」と胸を張った。そして、思い出すのはブラジルでの苦悩。「(W杯とアジア杯は)まったく別の大会だが、やはりあそこで得た経験や、強く感じた悔しさは、国を背負って戦う国際舞台であるアジア杯で晴らし、喜びを感じたい」と言葉に力を込めた。

 ザックジャパンで主に4-2-3-1の左サイドハーフでプレーしていたころと変わり、4-3-3の左インサイドハーフで先発することが濃厚だ。アタッキングサードで見せる俊敏で創造性にあふれた攻撃が持ち味の香川にとって、ザック政権時より一列後方にあたるポジション。だが、その位置でも持ち味を出すための算段はすでに掌中にある。

「前線への飛び出しは求められるものだし、自分も求めていかないといけない。90分間で10回くらいはトライしたい。それでどこまでいけるか。チームのために結果で勝負していけるか。ハードワークしていきたい」。3列目からの飛び出しで敵陣を切り崩し、ゴールに向かおうということだ。

 4年前のアジア杯のことも胸にある。MVP級の活躍を続けていながら、韓国との準決勝で右足小指の付け根を骨折し、ザックジャパンがオーストラリアとの決勝を制して優勝したときにはすでに開催地のカタールにはいなかった。

「監督が変わってスタイルも変わった。その中で1試合ずつチームで成長していきたい。チームのために戦うことが自分に求められること。この大会でしっかり日本の強さを証明できるように、チームが団結して戦いたい。W杯での悔しい思いをピッチで晴らし、日本代表が成長できるように頑張る」

 決勝までの6試合すべてに全力を尽くし、優勝の瞬間を味わうことを、香川は誓っている。

(取材・文 矢内由美子)

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