[1.12 全国高校選手権決勝 前橋育英高 2-4(延長)星稜高 埼玉]

　悲願の日本一達成に、自然と涙が溢れてきた。初優勝を飾った星稜高(石川)のFW大田賢生(3年)は「すごく嬉しくて言葉にできない。自然と涙が出るくらい嬉しかった」と声を弾ませた。今大会は得点ランキングトップタイ、チーム最多となる3得点を挙げる活躍。自身は無得点となった前橋育英高との決勝でも、2得点に絡んでみせた。

　決勝の舞台で得点できなかったことについては、「そこで決められないというのは持ってないということ」と苦笑したが、「高校最後の集大成となる大会。そこでチームに貢献できたのは嬉しい」と安堵の表情を浮かべた。

　この日、自身のゴールはなかったが2トップの一角として先発すると、2得点に絡んだ。前半11分には先制点を“お膳立て”。相手DFからGKへのバックパスをカットすると、PA内で倒されてPKを獲得。これをMF前川優太(3年)が決め、1-0とリードした。

　その後に逆転されるも、後半19分には大田が同点弾をアシスト。右サイドから攻め込むと、切り返しからクロスを上げる。飛び込んできたDF原田亘(3年)が頭で叩き込んだ。勢いに乗ったチームは延長前半5分に2度目の逆転に成功。2点に絡んだ大田は、延長後半開始とともに交代。チームはその後に1点を追加し、4-2で試合を終えた。

　全国大会を控えた日々では自身が活躍するイメージは「あまりなかった」というが、大会直前になったとき、「活躍するイメージが出来てきていた」という。そのイメージ通りの活躍でチームを初の決勝へ導くと、ファイナルの大舞台でも2点を演出。背番号10として、十二分の働きを果たした。

「まだまだ得点を取れるところはあった」と後悔もみせたストライカーだが、決勝戦での自身の出来を問われると、「全国優勝したので100点です!」とこの日一番の笑顔で言い切った。

(取材・文 片岡涼)

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