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GK川島も自陣ゴール前から100m全力疾走で香川を祝福

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[1.20 アジア杯D組 日本2-0ヨルダン メルボルン]

 後半37分だった。MF香川真司(ドルトムント)のゴールが決まり、日本が2-0とリードを広げると、GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)が自陣ゴール前から勢いよく最前線へ駆け出した。ピッチの端から端まで全力疾走。満面の笑みでチームメイトの歓喜の輪に飛びついていった。

「パレスチナ戦であいつが決めたと思って行ったらオカ(岡崎)のゴールだったから……。今日は(香川)真司が決めてくれて、真司のところに行けて良かった」

 12日に行われたグループリーグ初戦のパレスチナ戦。1-0とリードしていた前半25分に生まれた日本の2点目は、PA付近へ駆け上がった香川のシュートをゴール前のFW岡崎慎司が頭で角度を変えて決めたゴールだった。川島の位置からは香川のゴールに見えていたというが、結果的には見間違え。悩める10番の久々のゴールは、得点に飢える思いを理解している守護神にとってもうれしいものだった。大急ぎで自陣ゴールマウスへ駆け戻る川島の頭上では、日本のゴールを祝福するかのように鳥たちが群舞していた。

 守っては3試合連続無失点でグループリーグ突破を決めた。「まずはゼロで、失点をしないでゲームを進めていこうとしているし、4年前のアジア杯では自分たちの小さなミスからゲームを難しくしてしまったことが多かった。そのときの反省をチーム全体として共有できているのが良いのだと思う」

 準々決勝の相手はUAEに決まった。12年9月6日の親善試合で対戦したときはFWハーフナー・マイクの得点で1-0の勝利をおさめているが、「2年前くらいに当たったときよりもクオリティーが上がっていると感じる。個々もそうだし、チーム全体としてもまとまっていると思う」と警戒する。ただ、一発には注意しなければいけないが、地力にはやはり差はある。「まずは無失点で試合を進めていきたい」。守護神はこのまま突き進むつもりだ。

(取材・文 矢内由美子)

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