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本田、香川がPK失敗…日本はPK戦でUAEに敗れ5大会ぶり8強敗退

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[1.23 アジア杯準々決勝 日本1-1(PK4-5)UAE シドニー]

 日本代表は23日、アジア杯準々決勝でUAE代表と対戦し、1-1のまま突入したPK戦で敗れた。前半7分に今大会初失点となる先制点を許した日本は後半36分、途中出場のMF柴崎岳が同点ゴール。1-1のまま延長戦に突入すると、120分間でも決着が付かず、PK戦の末、4-5で敗れた。日本は96年大会以来、5大会ぶりのベスト8敗退となった。

 日本は過去3試合と同じ不動の先発メンバーを組んだ。20日のヨルダン戦(2-0)で顔面を強打したDF森重真人も先発。4バックは右からDF酒井高徳、DF吉田麻也、森重、DF長友佑都と並び、GK川島永嗣がゴールを守った。中盤はMF長谷部誠がアンカーに入り、MF香川真司とMF遠藤保仁のインサイドハーフ。3トップは右からFW本田圭佑、FW岡崎慎司、FW乾貴士だった。[スタメン&布陣はコチラ]

 日本は前半2分、乾が左サイドから中に切れ込み、右足でミドルシュート。ゴールマウスを捉えていたが、ここはGKのセーブに阻まれた。このプレーで獲得した右CK。本田のキックにニアの岡崎が頭でそらすが、GKに抑えられた。

 立ち上がり早々にチャンスを迎えた日本だが、UAEもすぐさまビッグチャンスをつくる。前半3分、左サイドのMFイスマイール・アルハマディのスルーパスからFWアリ・マブフートが最終ラインの背後を取り、一気にPA内まで進入。しかし、トラップが大きくなったところを飛び出してきた川島が体を張って抑え、事なきを得た。

 UAEは前半7分にもMFオマル・アブドゥルラフマンが左足ミドルを狙うが、吉田がヘディングでクリア。シンプルにゴールを狙うUAEはその直後にも一発のロングフィードで再びマブフートがDFラインの背後を突く。PA内にフリーで走り込むと、今度は絶妙なトラップから右足でゴール左隅に叩き込んだ。

 開始7分で先制を許し、今大会初失点を喫した日本。前半9分、長友の左クロスに本田が左足ボレーで合わせるもゴール上へ。同18分には右サイドを駆け上がった酒井が鋭い切り返しから左足でファーサイドにクロスを上げたが、フリーで合わせた乾のヘディングシュートは力なく、GKの正面を突いた。

 中3日のUAEに対し、中2日で試合を迎えた影響か、全体的に運動量の上がらない日本は一歩一歩の出足や反応速度が遅い。ボール支配率は高めるものの、なかなか決定機をつくれず、攻めあぐねる時間が続いた。前半42分、長友の横パスから遠藤が右足でミドルシュートを狙うが、ゴール右へ。同44分の本田の左足ミドルも外側のサイドネットだった。

 1点ビハインドで前半を折り返した日本は後半開始から乾に代えてFW武藤嘉紀を投入。何とか早い時間に追いつきたいが、後半4分、自陣で長谷部がオマル・アブドゥルラフマンにボールを奪われ、ピンチを招く。オマル・アブドゥルラフマンの浮き球のラストパスに合わせたマブフートのシュートはミートし切れず、川島がキャッチしたが、ヒヤリとさせられた。

 日本は後半7分、香川の縦パスを受けた武藤が前を向いてドリブルを仕掛け、PA手前から右足を振り抜いたが、ゴール左に外れる。同8分には遠藤の右クロスから岡崎の背後でフリーになった武藤がヘディングで合わせたが、これも枠を捉え切れなかった。

 後半9分には2枚目の交代カードを切り、遠藤に代わって柴崎がピッチに入る。柴崎は直後の10分に右足でミドルシュート。途中出場で入ってきた選手たちが積極的なプレーを見せ、流れを引き寄せていった。

 後半15分、左サイドから武藤がくさびのパスを入れると、本田がワンタッチで落とし、香川が前向きでボールを受ける。密集地帯で仕掛けた香川は右足を振り抜くもGKがセーブ。同20分には岡崎に代えてFW豊田陽平を投入し、交代枠を使い切った。

 再三、セットプレーのチャンスを獲得するも同点ゴールの遠い日本は後半20分、CKのカウンターからピンチを招くが、抜け出そうとするMFイスマイール・アルハマディに長友が追いつき、粘り強く対応。酒井と2人で挟み込んでボールを奪い、何とかしのいだ。

 しかし、攻撃はその後も空転。後半30分、柴崎が右後方から左足でクロスを入れるが、ゴール前でフリーになった豊田のヘディングシュートはミートせず、枠を外れる。同32分には本田の右CKからこぼれ球を拾った香川が右足を振り抜くが、クロスバーを越えていった。

 1点ビハインドのまま試合は終盤を迎えたが、背番号20が日本の危機を救った。後半36分、柴崎が本田に縦パスを入れると、パス&ゴーで動き出す。本田はワントラップから左足で丁寧に落とし、柴崎が右足ダイレクトで振り抜いた。強烈なシュートがゴール左隅に突き刺さり、1-1の同点。代表初ゴールを決めた昨年9月9日のベネズエラ戦(2-2)以来となる柴崎のゴールで、ついに試合を振り出しに戻した。

 一気に逆転ゴールを目指す日本。後半41分、香川、長谷部が立て続けにシュートを放つが、UAEの守備陣も体を張って跳ね返す。同43分には本田が左足で直接FKを狙ったが、GKが弾き出した。後半アディショナルタイムにも絶好機を迎え、PA内右に抜け出した柴崎の折り返しからこぼれ球を武藤が拾って香川にパス。しかし、香川の右足シュートはゴールのわずか左に外れ、試合は1-1のまま延長戦にもつれ込んだ。

 延長前半5分、長友が長谷部からのパスを追いかけた際、右太腿裏を痛めるアクシデントに見舞われる。交代枠を使い切っているため、その後も足を引きずりながらプレーを続けたが、延長後半に入ると、酒井が左SB、柴崎が右SBに回って長友はインサイドハーフの位置にとどまり、ほとんど全力では走らなくなった。

 実質、10人での戦いとなった日本だが、UAEを押し込む時間が続く。延長後半12分にはゴール前絶好の位置で本田がFKを獲得。これを柴崎が右足で直接狙ったが、惜しくもわずか右に外れた。結局、延長戦でも決着が付かず、1-1のままPK戦に突入した。

 先攻の日本は1人目の本田が大きく上に外してしまう。一方のUAEは1人目のオマル・アブドゥルラフマンが技ありのチップキックを決め、リードに成功。日本は2人目の長谷部、3人目の柴崎が成功すると、UAEは3人目のDFハミス・イスマイールがゴール上に外した。2-2の同点に追いつき、4人目の豊田、5人目の森重も成功。しかし、UAEも4人目、5人目と決めてサドンデスにもつれ込んだ。日本は6人目の香川が左ポストに当ててしまい、失敗。UAEは6人目のDFイスマイール・アハメドが決め、日本はPK4-5で準々決勝敗退が決まった。

(取材・文 西山紘平)

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