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PK失敗の香川、自分を責める 「悔いしか残らない」

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[1.23 アジア杯準々決勝 日本1-1(PK4-5)UAE シドニー]

 乾いた音が響き渡った。1-1のまま突入したPK戦。先攻6人目のキッカーを務めたMF香川真司(ドルトムント)が右足から放った渾身のキックは左ポストを叩いた。後攻のUAEは6人目が成功。PK4-5で日本の5大会ぶりベスト8敗退が決まった。

「責任を感じるし、申し訳ない。試合の中でもチャンスがあったし、PKもそうだし、申し訳ない」。試合後のミックスゾーン。背番号10はうなだれ、声を落とした。

 チャンスは何度となくあった。後半15分、左サイドからFW武藤嘉紀がくさびのパスを入れると、FW本田圭佑がワンタッチで落とし、前向きでボールを受けた香川が右足でシュートを打ったが、GKのセーブに阻まれる。同32分には本田の右CKからこぼれ球を拾って右足を振り抜いたが、クロスバーを越えた。

 最大の決定機は1-1で迎えた後半アディショナルタイムだった。PA内右に抜け出したMF柴崎岳の折り返しからこぼれ球を拾った武藤が香川にパス。香川は右足を振るが、寄せてきたDFのプレッシャーに押され、シュートはわずかにゴール左へ外れた。

「負けたのですごく悔しいし、自分が決めていれば勝てたシーンもあった。すべて申し訳ない」。20日のヨルダン戦(2-0)でアギーレジャパン初ゴールを決め、肩の荷も下りたかと思われた。「決める自信はあった。でも決められなかったのは自分の実力。決めなかったという事実だけ。それを受け止めてやるしかない」と唇をかんだ。

「こんなところで終わるつもりはなかった。でも、負けてしまったら取り返しは付かない。今は悔いしか残らないけど、必ず意味があると思う。若い選手が点を取って、いい雰囲気だったのに、自分が外して負けたのは悔しいし、申し訳ない。でも、時間は返ってこないし、今はしっかりと切り替えていくしかない」

 試合後はピッチにしゃがみ込んだ香川。ブラジルW杯から続く苦難を乗り越えていくしかない。

(取材・文 西山紘平)

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