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競争を歓迎するF東京DF奈良「日本最高のCBとプレーできるのは最高の特権」

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 何よりも欲していたのは、厳しい環境だった。今シーズン、コンサドーレ札幌からFC東京に加入したDF奈良竜樹は、4日の新体制記者会見で日本代表DF森重真人の存在が移籍を決める上で、大きかったと明かした。「CBをするなら、日本で一番素晴らしいCBがいるところに行くのが、一番成長できると思いました」と、奈良は言う。

 チームが始動してから、2週間強。沖縄キャンプで実戦形式のトレーニングもしたが、その決断は正しかったと感じているようだ。「実際に一緒にやってみて、CBで森重選手という日本代表でバリバリ活躍している選手と組ませてもらったり、相手としてやってみたりして、非常に刺激を受けました」と奈良は目を輝かせ、「日本では最高のCBだと僕は思っているので、その人と一緒にプレーできるのは、最高の特権。それを生かして、いずれは越えて行きたいと思っていますし、越えないと日本代表に入れないと思っています」と、言い切った。

 森重は頼れるチームメイトであると同時に、ポジションを争うライバルにもなる。他にも昨季のレギュラーであるDF吉本一謙、DFカニーニ、湘南で経験を積んだDF丸山祐市ら、ポジションを争う選手は多い。試合に出続けるという意味では、札幌に残った方がチャンスは多かったはずだが、U-21代表のDFは、ポジション争いを歓迎する。

「札幌も、すごい良いチームだったし、そこですごく成長させていただいた部分もあったので、そこで上に挑戦したいっていう気持ちが芽生えました。リオ五輪も出ると出ないでは、キャリアも違ってきますし、見える世界も変わってくると思う。ライバルには素晴らしい選手がたくさんいて、厳しいと思いますが、チームも、代表も、厳しい所でできるっていうのは、ずっと出られる環境よりも刺激があるし、成長出来ると思うので、良い環境だと思っています」

 与えられた背番号は「33」。その数字については「特にないんですけど、僕は若い番号で期待されるよりは、大きな番号で、せっせとやっていきたい」と言ってから、報道陣の熱い視線に気づき、「森重選手、3番ですよね? じゃあ、森重選手の2倍の力で、2倍のプレーをしたいと思います」と、メディアの期待に応えてくれた。

(取材・文 河合拓)

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