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3試合連続延長戦制す!清水桜が丘が現校名で初の新人戦制覇:静岡

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[2.22 静岡県高校新人大会決勝 清水桜が丘高 2-1(延長)静岡学園高 草薙球]

 平成26年度静岡県高校新人サッカー大会は22日、草薙球技場で決勝を行い、清水桜が丘高静岡学園高が激突。1-1で突入した延長前半6分にMF長田健吾(2年)が決勝ゴールを決めて清水桜が丘が2-1で勝ち、現校名での初優勝を飾った。

 全国高校選手権優勝3回、全国高校総体優勝4回、全日本ユース(U-18)選手権優勝5回の名門・清水商の伝統を受け継ぐ清水桜が丘にとっては、13年4月の統合再編から2年目で初の県タイトル獲得だ(昨年プリンスリーグ東海でも優勝)。日本高校選抜MF旗手怜央(2年)やエースFW加納澪主将(2年)、GK山ノ井拓己(1年)ら選手権全国8強メンバーの半数を残す静岡学園に対し、劣勢が予想された清水桜が丘だったが、大瀧雅良監督が「我々にとって約束事はきちっとやろう。それをやらずに負けるのは嫌だね、と。DFの子たちが忠実にやってそれで失点するのはしょうがない。1人でやるんじゃなくて2人、3人で守備をする」と語り、主将のMF杉本隼(2年)が「徹底できたというのが自分たちのきょうの試合の収穫です」というように自分たちの決めている約束事をやり抜いて見せる。

 静岡学園は序盤から旗手の右足ミドルなどで清水桜が丘ゴールを脅かす。だが、清水桜が丘は常にボールサイドに2人、3人でプレッシャーをかけ、杉本が「大森とか石井は試合の中でずっとヘディングをやり続けてくれた。あそこがダメになったら自分たちは崩れてしまう」という大森圭一郎(2年)と石井智大(2年)のCBコンビ、右SB水野歩夢(2年)が相手が縦に入れてくるボールをしっかりと待ち構えて跳ね返す。そして徐々に押し返すと13分には長田の左FKを石井が合わせ、17分には長田、MF野木智大(2年)の鋭いクロスがPAを横切った。

 静岡学園も28分に旗手からのパスを受けた加納が強烈な右足ミドル。相手に守りを固められている中でも加納や旗手が強引にDFのマークを外してミドル弾を打ち込んだ。それでも静岡学園は全体的に崩しのアイディアがなく、テンポも単調、アタッキングゾーンでいい形でボールを持つことができず、強引な仕掛けやパスを清水桜が丘に跳ね返されるシーンが続いた。

 そして36分、清水桜が丘が先制点を奪う。左サイドを抜け出したFW水野滉大(1年)がGKを外して折り返し、これを受けた山田が左中間PAやや外側でFKを獲得。キッカーは左利きの長田。思い切りよく左足を振り抜くと、割れた壁の間を抜けたボールがゴールへ突き刺さった。

 反撃する静岡学園は後半3分に左CKから加納が決定的なヘディングシュート。5分にはセカンドボールに反応した左SB小宮嶺(2年)の右足シュートがクロスバーを叩く。その後もボールを握る静岡学園は、再三のボール奪取とミスのないパス捌きが印象的だったMF鹿沼直生(2年)を中心に徐々に球離れが良くなり、ショートパスが繋がるようになった。だが、最終局面で清水桜が丘が見せる強さと集中力はさすが。ボランチのMF出水大智(1年)が空中戦で強さを発揮し、杉本や水野滉が豊富な運動量で局面に現れる。PA前に並ぶ水野歩、石井、大森、左SB横山望(2年)の4バックは背後を取られることなく、入ってきたボールは確実にクリア。着実に時間を進めて行く。

 清水桜が丘は35分にカウンターの仕留め役を担う山田がターンからの右足シュートでゴールを襲うなど、突き放すチャンスを作ったが、試合を決めることができない。対する静岡学園は、後半30分に投入されたMF白川大吾廊(1年)がキープ力を活かして崩しに怖さを加える。そして執念を見せる静岡学園は37分、小宮の左CKを加納が頭でゴールへ叩き込んで同点に追いついた。

 3試合連続となる延長戦へ持ち込まれた清水桜が丘だったが、スーパーゴールで再び静岡学園を突き放す。延長前半6分、右サイドから杉本を経由して左サイドへ運ぶと、長田が胸コントロールからボールの落ち際を左足で叩く。強烈な一撃は逆サイドのゴールネットへズドン。長田のこの日2点目となるゴールで清水桜が丘が再びリードを奪った。

 静岡学園は直後に旗手が右ポストを叩く右足シュート。延長後半9分には小宮のループパスに旗手が反応したが、ボールはGK長倉駿介(2年)の胸に収まった。静岡学園は終了間際にも右SB福原涼太(1年)の折り返しをCB戸松剛志(2年)が右足で合わせたが、枠上へと外れて試合終了。頂点に立った清水桜が丘の長田は「(今後も)しっかりと油断せずにやっていきたい」。歴史に新たな1ページを加えた伝統校。次は清水桜が丘として初の全国を目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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