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[Fリーグ]チームのために戦う大阪FPヴィニシウス「一番欲しいのはゴールじゃない」

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[2.20 Fリーグ2014/2015プレーオフ1回戦 大分2-3大阪 墨田]

 リーグ有数の得点力を誇るシュライカー大阪のFPヴィニシウス。20日に行われたバサジィ大分とのプレーオフ1回戦では、得点こそ挙げられなかったものの、相手の守備のキーマンであるFPディドゥダを引き付けるなど、大分の堅固な守備組織を崩す役を果たした。

 負ければ、そこで優勝の可能性が消滅する一戦。この試合に向けて、ヴィニシウスは「一番強かったのは、勝ちたいという気持ち」だったと明かす。元来は点取り屋だが、「点を取るのは誰でもいい。でも、DFは全員がしないといけない。シュライカー大阪の今年のコンセプトは『ユニット』」と言い、「もちろん、できることなら自分が点を取りたい。でも、それだけが俺の仕事ではない。一番欲しいのは、ゴールじゃない。優勝という結果」と強調した。

 リーグの得点ランクでも、2位の28得点を挙げているヴィニシウスは、相手から厳しくマークされる。だが、「シュライカーは、オレだけのチームじゃない」と断言する。「もしかしたら、大分や他のチームは『ヴィニシウスが点を取らなければ、大阪は点が取れない』と思っているかもしれません。でも、今日の試合のように、オレだけじゃない。どの選手も頑張っているし、オレも他の選手にもっとアシストしたい。大事な選手がいっぱいいるんです」。

 その中で、外国人選手として、経験豊富な選手として意識していることが、ある。「オレはブラジルでも、スペインでもプレーしていたから、チームのために戦うことがどれだけ大切かが分かっているし、それを伝えられる立場にいる。それを伝えることも自分の仕事だと思う。だから、交代したときは、若い選手に話もするようにしています。たとえば、(水上)洋人選手は(今日の試合で)出場時間が短かった。でも、その1分、2分がすごく大事。そこで100%を出せないといけません」。

 ストライカーである自身が、守備をしっかりすることで、チームを鼓舞でき、模範となり得ることが分かっている。残りのプレーオフに向けても、エゴを捨て、チームのために戦うつもりだ。「ゴールは取りたい。でも、勝てるのであれば、オレが点を取れなかったとしても、問題ありません。オレの仕事は点を取ることです。でも、ディフェンスも考える。アシストすることも考える。若い選手をサポートすることも考える。勝つためにできることを考えます」。大阪で唯一の外国籍選手が欲しているのは、まだ獲得していないリーグタイトルだけだ。

(取材・文 河合拓)

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