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デビュー弾に続き鹿島撃破の決勝点、高萩「運を使い過ぎ」

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[2.25 ACLグループリーグ第1節 鹿島1-3ウェスタン・シドニー カシマ]

 幸運に感謝した。ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(オーストラリア)の一員となって初めて迎えた日本国内での公式戦。10番を背負うMF高萩洋次郎が決勝点を奪った。

 1-1の後半41分、左サイドからドリブルで中央に切れ込んだ高萩はマイナスに戻してそのままゴール前に走り込むと、FWマーク・ブリッジのシュートが目の前に飛んできた。右足で触ってコースを変え、ゴールネットを揺らす。オフサイドラインぎりぎりの位置にいた高萩は副審が旗を上げていないのを確認すると、広告看板を飛び越えてゴール裏のサポーター席へ駆け寄った。

 今月1日、Aリーグデビュー戦となったメルボルン・シティ戦で直接FKで初ゴールを決めた高萩。このときと同じようにDF田中裕介と四股を踏む相撲パフォーマンスで喜びを表現し、「本当に運がいいなと思う。向こうの初戦でもゴールを決めて、こっちに帰ってきた初戦でもゴールを決めることができた。運を使い過ぎているんじゃないかと思うぐらい」と、笑みをこぼした。

 リーグ戦では4-2-3-1のトップ下を務める高萩だが、この日はダブルボランチの一角で先発した。「アウェーなので引き分けでもいいという気持ちでやっていた。守備をしっかりしないとと思っていた」と、攻守のバランスを取り、献身的な守備も見せた。後半35分から本職のトップ下へ。6分後に勝ち越しゴールを決めると、後半アディショナルタイムにはブリッジのダメ押しゴールもアシスト。1ゴール1アシストの活躍で勝利に貢献し、「(試合前に田中と)『日本のチームには負けられないね』と話していた。結果が出せてよかった」と胸を張った。

 初の海外挑戦は刺激の連続だ。「オーストラリアに行って一番思ったのは勝負にこだわる部分と、球際で負けたくない気持ちが強いということ。ラグビーをしているんじゃないかと思うぐらい」。トニー・ポポヴィッチ監督からは「もっと飯を食え」「もっと筋トレをしろ」と言われているそうで、広島のスタイルとは真逆とも言える体格やフィジカルを前面に押し出したオーストラリアのシンプルなサッカーに順応しようと日々、貪欲に取り組んでいる。

「球際で戦って、走って、厳しく行くことが求められる。そこは僕があまりやってこなかったプレー。それを身に付ければ、さらにステップアップできる」。アジア王者の一員として鹿島を倒したアウェーでの勝利は、高萩にとってもさらなる進化への第一歩となりそうだ。

(取材・文 西山紘平)
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