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ナショナルGKキャンプメンバー選出の注目1年生、静岡学園GK山ノ井拓己はまず練習でのレベルアップ誓う

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 静岡学園高のGK山ノ井拓己(1年)は全国高校サッカー選手権で注目を集めた1年生のひとりだ。静岡県予選でベストイレブンと最優秀新人に選出されたGKは全国大会でも佐賀東高と東福岡高相手に無失点。2月にはナショナルGKキャンプメンバーにも選出されて飛躍を遂げている。今年、チームの主軸として、自覚を持ってスタートしている注目守護神にその意気込みを聞いた。

以下、山ノ井コメント
●GK山ノ井拓己
―選手権終わって新チームがスタートした
「去年は(主将のCB石渡)旭さんがいて、旭さんの足りない部分を自分が補っていたというか、その割合も旭さんが8割くらい持って行っていて、ボクは残り2割しか助けられていなかった。(今年は)旭さんが抜けちゃったし、CBは今回まだ経験浅いので鹿沼さんとかボランチとGKで補っていくことを意識した。(佐野と戸倉のCB)2人は成長したと思うし、この後、嶋とか末光さんとか入ってきたらもっと面白くなってくると思う。守備の良い時の学園は上に行けると思っている。攻撃は自信を持っているんで、自分が耐えることができれば上に行ける。もう1回選手権行って、今回は埼スタに行っていないのでそこまで行かないといけない」

―新人戦では上級生のようにチームを鼓舞する姿があった
「去年は単純に鼓舞するだけだったんですけど、もっと戦術的にしていきたい。去年自分は気持ち出していればOKだったんですけど、今年は冷静さというか、声も使い分けをやっていかないといけない。褒めるところだったり、怒るところも理由付けて、ガミガミ言うんじゃなくて簡潔にきっぱり言って、分かったなら(DFが)頷くとか反応してと言ってあるので、それは修正できて良かったと思います」

―主力としての責任感が見える
「去年はいくら頑張っても1年生の弱みみたいなものもあった。(準々決勝の)日大藤沢との時とかも自分のせいで負けたと思っている。そこは3年生には申し訳ないですし、忘れちゃダメだと思っている。今年は最低でもベスト4以上は、というのは自分の中で意識している。きょうの練習前に(監督の川口)修さんが『学園らしさがない』と言ってくれましたけれど、新人戦はただ頑張っているだけだった。そこには気づいていなかったので、負けて気づけたのは良かったと思う。きょうの練習でも(気合は感じられたが)まだ1本目だけというか、2、3本目は球際弱かったり、半分のゲームで4失点なんてまずありえないのでそこは気持ちの部分。頑張ってこその技術だと思うし、頑張らないで技術、技術と言って逃げているのはいけない。やれば去年みたいに上手くなれるし、経験している自分たちが言えばもっと(周りも)信じてやってくれると思う。(個人的には)今年は主軸としての自覚を持ってやらないと去年と変わらないと思うのでしっかりとやっていきたい」

―昨年経験を積んで手応えを得た部分と課題を感じている部分があると思うが
「去年はある程度割り切りができていた。(ビルドアップでも)ある程度の位置は前線の選手につなぐというのが暗黙であった。今年は同年代に田原というGKがいて、ガンバでスタメンとかで出ていた。自分は中3の時とか出ていなかったので、ビルドアップの部分が本当に負けている。1年の時からずっと負けていたので、勝るまでは難しいですけれども、肩を並べるというか、少しでもいいところをもらっていったらより確実に試合に出られる。自分は本番に強くなかったらアイツに負けていると思う。練習だけでいったら田原の方が全然センスあるし、上手いので練習でも張り合っていきたい。練習でも自分ができて(周囲に)納得してもらいたい。今年は『試合でいいプレーするから使っている』というよりは、『練習も凄いから試合も使われている』となりたい。頑張っていれば、3年目には余裕が出る。今年戦術眼とか使い分けていければ余裕が出て来る。そうすればもっと上の段階のGKになれると思う」

―目線は上を向いている
「もっと上に行きたい。代表とか入っていきたい。もし練習のキャンプとか呼ばれたとしても、自分は試合が強い方なので、まだ代表の選手よりも練習では劣ってしまうと思う。練習の質を上げないといけない。そこを上げれば、さらに試合でもよくなる。練習以下はないと思うので、練習のレベルを上げて、試合で去年でもできなかったようなプレーができるようにしたい。今年は追い込まれると思うので、耐えて頑張っていきたいと思います」

―今年1年の目標を
「去年(チームは)総体出ていなくて、自分も総体の時は試合に出ていなかった。夏で強くなれるというか、去年は夏行けなくて選手権へ標準合わせてみんなで頑張っていった。でもインターハイに出て強いところと戦えればもっと経験を積めると思うし、そうすればもっと静学は強くなると思う。成長して、選手権の時には優勝候補とか言われているチームにまた勝って行きたい」

(取材・文 吉田太郎)

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