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ハロー!プロジェクトフットサルクラブGatas、11年の活動に幕

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[3.7 キャプテン翼スタジアム横浜元町]

 ハロー!プロジェクトフットサルクラブ「Gatas Brilhantes H.P.(ガッタス・ブリリャンチス・エイチピー) 」の11年間にわたった活動の休止を報告するファンイベントが横浜で行われた。

 イベントでは芸能人女子フットサルを盛り上げた南葛シューターズや、覇を競ったスフィアリーグの有志メンバーとのエキシビジョンマッチ(7分ハーフ)が行われ、約400人の観客を盛りあげた。

結果は以下のとおり

第1試合 Gatas 2-2 南葛シューターズ
得点:Gatas/是永2(後半2、4分)
   南葛/阪本2(前半4分、後半6分)

第2試合 Gatas 2-1 スフィアリーグ選抜
得点:Gatas/オウンゴール(後半5分)、是永(後半6分)
   スフィア/山口[ASAI RED ROSE](前半4分)

 大げさではなく、日本サッカー、ひいては日本スポーツ界で稀有なムーブメントを巻き起こしたチームだった。

 イベント挨拶で多くの選手が口にした「本気、真剣」というワード。彼女たちは本気だった。芸能仕事の多忙を縫って多い時は週に2回、各90分の練習。それでも最初は試合に勝てなかった。次第に互いの意見を出し合い、認め合い、合宿では感極まりながらチーム内で切磋琢磨して1勝を目指すようになった。

 周囲の指導陣、スタッフも感化され、選手のフォローとケアに奔走する。いつしかチームを中心に一体感が生まれた。言い訳のきかない実力の世界。どんなに努力しても試合に出られない選手もいた。そういう選手は規定の練習時間外に自主練を行い、特練を直訴した。そして成長を認められた選手が、出場した試合でゴールを決めたとき、涙を流すスタッフがいた。

 真夏の「お台場冒険王」では、炎天下1日最多4試合を連日戦った。汗だくになりながらボールを追う姿を、サポーターは朝から夕暮れまで声を枯らし選手を後押しし続けた。すべて本気だから現れた現象だった。

 吉澤ひとみキャプテンは最後のあいさつで「スポーツに嘘はない」と言った。2005年5月23日に行われた「第2回フジテレビ739カップ」の第1試合、対Dream戦のキックオフゴール、同カップ決勝、ライバルcarezza戦の優勝決定PK戦…サポーターの間では語り草になっている劇的試合は、全て自分たちの手で掴み取った勝利だった。一方で、2003年11月22日の「ハロー!プロジェクトスポーツフェスティバル2003」、2006年3月19日の同フェスティバル「2006」では、同じ一般の女子チームに大敗を喫した。

 アイドルたちが、筋書きのないドラマを戦う。この斬新な感覚が話題を呼び、次々と芸能人女子フットサルチームが誕生する。この日のエキシビジョンマッチにもやってきたASAI RED ROSE、carezza、ミスマガジン、XANADU loves NHC、chakuchaku J.b、FANTASISTA、蹴竹Gといったチームによる「スフィアリーグ」が発足、テレビ中継もされ、専門誌の表紙を女子芸能人フットサル選手が飾ることもあった。

 そして最後にもうひとつ。「みんなになでしこJAPAN、女子サッカーを知ってもらえたことが嬉しい」(吉澤キャプテン)。Gatasは「女子サッカーの普及」という役割を負って2003年9月9日に生まれた。それから11年の間に、なでしこJAPANは2011年のドイツW杯で初優勝を成し遂げ、翌年のロンドン五輪で銀メダルを獲得。今や女子サッカーは国民の間に完全に浸透した。さらに2007年にはFリーグ(日本フットサルリーグ)が誕生している。

 もちろん当事者たちの努力が結びついた結果だが、その“気運”を盛り上げ実現に貢献したという点で、Gatasの存在感は、じつははかりしれないものがあった。役割は十分すぎるほど果たしたといえる。

「本音で語り合える、家族のような存在」。かつて多くのメンバーがGatasをそう称していたことがある。2006年7月20日の「お台場冒険王」。当時ゴレイロだった紺野あさ美が一時引退する際、メンバー全員がPKを蹴って彼女を送り出した。最後のキッカーはキャプテンの吉澤ひとみ。思いきりシュートを決めると、そのままダッシュで紺野に駆け寄り思いきり抱きしめた。キャプテンシーは人それぞれなれど、「容赦はしないが、仲間を全力で愛す」のが吉澤流キャプテンシーであることを象徴するシーンだった。

「ライブでは『梨華ちゃん、かわいい!』なのに、フットサルでは『石川、走れ!』となる。それが嫌いじゃなかった」(石川梨華)。「他で泣くことはなくても、フットサルで試合に負けると悔しくて泣けた」(藤本美貴)。誰もが容赦ない、でも気持ちをぞんぶんに感じさせてくれたGatas。その功績はこの先も色褪せない。

[写真]セレモニーで笑顔を見せる選手たち。左から藤本美貴、吉澤ひとみ、石川梨華。イベントには柴田あゆみ・是永美記・矢島舞美・岡井千聖・仙石みなみ・古川小夏・佐藤綾乃・佐保明梨・森咲樹・永井沙紀・菅原佳奈枝・矢口めぐみ・尾野里紗も登場した

(取材・文 伊藤亮)


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