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ドイツで世界と戦う「adidas UEFA Young Champions」“日本代表”、まず2名が決定!!

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 “日本代表”として世界と戦うU-16戦士。この日、まず2名が決まった。アディダス・ジャパンは27日、大阪府のJ-GREEN堺フットサルフィールドで「憎まれるほど強くなれ。」というテーマのもと、「adidas UEFA Young Champions 2015(UEFA ヤングチャンピオンズ)」関西大会を開催。滝川二高(兵庫)のMF大矢啓太と興國高B(大阪)のCB鱧谷太亮が世界と戦う“日本代表”に選出された。

 5人対5人のミニゲーム形式で行われる「adidas UEFA Young Champions 2015」は14歳以上16歳以下の男子が対象。この日の関西大会と4月2日に開催される関東大会の2つの日本代表選抜大会から優秀選手計6名を選出し、欧州CL2015の決勝の地であるドイツ・ベルリンにて開催される世界大会(6月)へ参加する。世界大会では、ドイツ、アメリカ、ブラジルの選抜チームと世界一をかけて争う。

 この日は関西地方や中国地方から中学生、高校生の計16チームが参戦。チームとしては優勝を、個々としてはドイツで世界と戦う権利を懸けて熱戦を繰り広げた。“Road to Berlin”。滝川二や野洲高(滋賀)という全国優勝経験を持つチームの代表選手やプロ選手を輩出している興國、全国出場経験を持つ崇徳高(広島)が中学生チームを圧倒するなど強さを発揮していく。そして決勝を4-1で制した滝川二の大矢と準優勝・興国Bの鱧谷がアディダス契約アドバイザーである、セルジオ越後氏から“日本代表”に選出された。

 決勝戦を解説したほか、ピッチサイドで“日本代表”選考を行っていたセルジオ氏は「何試合か見させてもらって、(大矢は)凄いコンスタントに自分のプレーを活かしていて、攻撃でも、守りでも凄いスキルも目立った。結構いろいろな試合の先取点取ったり、チームを勢いに乗せるところを評価した。(鱧谷は)一番評価したのは(準決勝で)興國のAチームとやった時にほとんど全てブロックしたり、守ったりしたところ。気迫溢れるプレーヤーで獲られた瞬間ガッと行ったり、守る選手として持っている気持ちとか、そういうところも彼の評価でした」と2人の選考理由を説明した。

 大矢は愛知の刈谷81FC出身で、ブリンカールFC U-15の一員として出場した全日本ユース(U-15)フットサル選手権で3位に入った経歴を持つ。5人制は得意なフィールドで輝きを放った。大矢は「昔から自分の特長であるドリブルとかテクニックとか足下が良かったのかなと思っています」と“日本代表”選出を喜び、世界へ向けては「関西代表としていくからには全力でやって、自分の目標であるプロになるためにいい経験積んで、頑張って勝てるようにやっていきたいと思います。ずっとやってきたドリブルとか足下で勝負して自分が今、どれだけできるのかというのを試したい」と意気込んだ。

 一方の鱧谷は味方を動かす守りと、ボールを奪い取る部分などで高い評価を獲得したが「プレーの面もテクニックの面でもあまり出せていなかった。あんまり喜べないです」と決勝で敗れたことを悔やんでいた。チームの代表として戦った試合での敗戦を反省。表彰式後もなかなか切り替えることができていなかった。それでも「セットプレーでも得点が取れて、守備でもハードワークして貢献できる選手」という目標を持つ鱧谷は、「日本との選手との違いみたいなところを感じたいです。選ばれたからには頑張ってきたいと思います」と世界で将来に繋がる経験を積んでくるつもりだ。

 今回チャンスを掴んだのは2人だったが、セルジオ氏は選ばれなかった選手たちのこれからに期待する。「大会で優勝したいとか、きょうはモチベーションがあったと思うけれど、そういう時だけじゃなくて、日ごろの練習でも強い気持ちを持って欲しい。何かオレら一番になるんだ、何かで誰にも負けないんだというね。(大会などの副賞で)何かもらえるからそういうモチベーションを持つのではなくて、(サッカーを)やる喜び。毎日夢を持ちながら、いずれ自分がみんなよりも凄いものがもらえるんだという気持ちで(日ごろから)やってほしいと思います」。大会に出た時だけではなく、日ごろの努力が重要というメッセージだった。関東大会は4月2日に行われる。ここでライバルたち以上のアピールをした4選手が新たに世界切符を獲得するが、そのためだけではなく、日ごろからの「頑張り」が選手たちを次のステージへ導く。

[写真]“日本代表”として世界に臨む滝川二MF大矢(左から3人目)と興國CB鱧谷(左から2人目)、優勝チーム監督として「adidas UEFA Young Champions 2015」世界大会で指揮する権利を獲得した滝川二の藤森コーチ(右端)、そしてセルジオ越後氏(左端)

(取材・文 吉田太郎)

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