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[MOM1342]興國FW武村萌生(新3年)_試合直後に30分間の“特別指導”、J注目エースはより違い生み出す選手へ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.30 ミズノカップIN香川予選リーグ第3節 興國高 1-0 玉野光南高 瀬戸大橋記念公園球技場]

 試合後、ピッチサイドの駐車場スペースでは興國高の背番号10がユニフォーム姿のまま、内野智章監督から厳しい叱責を受けていた。

 近寄りがたい空気の中で行われた1対1の熱血指導は約30分間。指揮官はJクラブも注目するFW武村萌生(新3年)に指摘したことについて「大学生相手にもやっているからアイツができるのは分かっている。できないことをできるようになれ、と。味方がスペースをつくってくれているのに、DFと同じようについて行ってしまう。我慢できずに動いてしまう。メッシは動かないと言われるけれど、ラインが止まるところを見ている。周りが動いている時に止まって、周りが止まっている時に動かないといけない」と説明した。

 ドリブルスキルの高さとアイディアのあるスルーパス、この日ピッチ上で見せたパフォーマンスは1番と言っていい内容だった。それでも期待値高いエースがより成長するために、内野監督はあえて厳しい言葉をぶつけていた。

 武村は「斜め45度にポジションを取って起点になれと言われていたけれど、点取りたい気持ちが強くて中に入り過ぎてしまっていた」と反省。より得点を奪うための指摘を理解して、意識して実行していく構えだ。ドリブル、スルーパス、アイディアには絶対の自信を持つ。飛龍高との初戦で2得点を挙げるなど得点力を示しているが、その数を増やしてより試合を決めることのできる存在になる。

 中学時代は「ドリが売りとかではなかった」という武村は興國の「ボールコーディネーション」を高めるトレーニングで足技を売りにする選手に変わった。毎朝、足裏を使ったり、軸足の裏を通すドリブル、エラシコ、クライフターンなど足技を地道にトレーニングしてきた結果、成長してきたFWは将来的には「誰も予想していないことをできるような選手になりたい」という。より相手を翻弄して技術で違いを見せる選手になること。「常に監督、コーチ、味方には感謝している。10番を背負っている以上、チームを引っ張って全国には確実に出たい」という想いを今年、ピッチで表現して自身の評価もより高める。

(取材・文 吉田太郎)
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