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代表帰り翌日にフル出場!フォルラン弾をアシストの山口蛍を指揮官が絶賛

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[4.1 J2第5節 千葉4-4C大阪 フクアリ]

セレッソ大阪のキャプテンがたくましいプレーでチームを引っ張った。ハリルジャパンから戻ってきたばかりのMF山口蛍がアンカーとして90分間フル出場。豊富な運動量と球際での厳しいプレーでチーム全体を鼓舞し、乱打戦で勝ち点1を確保する原動力となった。

「合流してすぐだったので、少し体が重いかなと思ったけど、思ったより動けた」

 前夜、味の素スタジアムで行われた日本代表対ウズベキスタン戦を終えると、その足ですぐにチームに合流した。代表とJという過密日程はロンドン五輪予選のころに経験済みだが、「帰ってきて次の日に試合に出たのは初めてだと思う」と山口。だが、気持ちは最初から固まっていた。

「ウズベキスタン戦で90分間出なければ先発でいく予定だったし、その意思は監督にも伝えていた。最初から準備はできていた」と事も無げに言った。ウズベキスタン戦は出場なし。山口としては出場は当然だった。

 これにはパウロ・アウトゥオリ監督も「彼はプロとして最高の姿勢を示した。それは自己犠牲と、労をいとわないタフな姿勢。彼は日本のみならず海外のもっと高いレベルで活躍できる選手であることを証明した」と絶賛した。

 最大の見せ場は、2-2となっていた後半30分だ。PAの左側深くに切れ込んでゴール前に素速くクロスを入れた。ファーサイドに詰めたFWフォルランが右足で押し込んでゴール。3-2と勝ち越しに成功した。これが今季3点目となったフォルランは、「PA内には(長谷川)アーリアも入っていて、相手のSBがマークしにくい状況になっていたところ、蛍がしっかり僕の顔を見てくれた。最高のパスだった」と称えた。

 今季はアンカーとしてプレーしており、攻撃に参加する回数はどうしても限定される。アウトゥオリ監督からは機を見て今だと思えば前線に上がることを許可されているが、ピンチを招くことなく、確実にチャンスにできるタイミングを見極めることは、簡単ではない。実際、この日は前半に自らボールを奪ってフォルランとのパス交換で左サイドを崩していったシーンと、後半30分のゴールにつながったシーンと、本当に数えるほどしか攻撃参加をしなかった。

「今は本当にチャンスになるというときしか上がっていないけど、もっとチームが落ち着いてくれば自分も上がっていけるようになると思う」と山口が言うように、今後は彼自身が攻撃参加する回数がC大阪の調子のバロメーターにもなりそうだ。

「今日の引き分けは大きい。このスコアで負けて帰るか追いついて帰るかは、精神的にも違う。最後まで追いつく姿勢を見せたことは良かった」。これで2勝3分け。苦しみながらも無敗で5節を乗り切ったことに安堵感を漂わせた。

(取材・文 矢内由美子)

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