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4-4のドロー決着もスペクタクルなゲームを喜ぶC大阪アウトゥオリ監督「今日の勝者はサッカーだ」

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[4.1 J2第5節 千葉4-4C大阪 フクアリ]

 試合後の記者会見、セレッソ大阪パウロ・アウトゥオリ監督は、冷静な語り口の中にも、興奮冷めやらぬ様子をうかがわせた。4-4に終わった試合後の会見で開口一番「コンバンハ。最高のゲームでした」と切り出したブラジル人監督は、一気に言葉を続けた。

「両チームとも、非常にタフに戦ったスペクタクルなゲームでした。ピッチの中のみならず、両チームのサポーターがこの試合を最高の舞台につくり上げてくれたと思います。言ってみれば、サッカーの魅力が凝縮されたゲームで、こういったゲームがあるからこそ、サッカーというスポーツが世界を魅了するのだと思います。両チームの選手、サポーターが一体となって戦ったという意味では、心から両チームに『おめでとう』という称える言葉を送りたいと思います。世界のどこのカテゴリーで行われていても、称賛されるゲームだったと思いますが、それがJ2だったということは、非常に意義のあることではないでしょうか」

 ブラジル人の中には、今もジーコ、ファルカン、ソクラテス、トニーニョ・セレーゾという『黄金のカルテット』を擁した1982年のブラジル代表こそが、過去最高のチームだったという人が多い。W杯を制することができなかったが、とにかく美しかったと称賛する。それに通じる感覚を、アウトゥオリ監督はこの試合に得たのだろう。

 一度はリードした試合だけに、勝ち点3を取れなかったという感覚か。それともアウェーで勝ち点1を取れたという感覚か。そう問われたアウトゥオリ監督は「私はサッカーを心から愛する人間です」と言い、自身の価値観を説明した。

「今日のようなゲームにおいて、勝ち、負けだけで話をするのは、まったくナンセンスだと思います。両チームとも、スペクタクルな試合をしました。そんな両チームに『勝ち点を取りこぼしてしまった』などという後悔はないのではないかと思います」

 さらに、その後の話の中でも「強調したいのは、今日の勝者を決めるのであれば、今日の勝者はサッカーである。どちらが勝ってもおかしくない試合、もちろん私たちが勝ちたかった試合ですが、このような最高の試合ができたということで、今日の勝者を選ぶならサッカーという競技そのものが勝者だったように思います」と、勝ち点に置き換えられない価値のある一戦であったと繰り返した。

(取材・文 河合拓)
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