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「adidas UEFA Young Champions 2015」関東大会決勝は「横浜創英対決」!「下剋上」してのけた横浜創英Bが優勝!

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 関東、北海道、東北、北信越の強豪チームの代表選手たちが優勝を争った「adidas UEFA Young Champions 2015(UEFA ヤングチャンピオンズ)」関東大会。5対5のミニゲーム形式で行われた大会の決勝カードは横浜創英高Aチームと横浜創英高Bチームによる「横浜創英対決」となった。

 決勝トーナメントで浦和南高、佐野日大高を連破した横浜創英Aチームに対し、横浜創英Bチームは札幌創成高、水戸桜ノ牧高を撃破して決勝へ進出してきた。会場を訪れていた横浜創英の宮澤崇史監督も驚くチームメート同士の優勝を懸けた戦い。新2年生の主力選手が多いという横浜創英のレギュラー選手全てが参加していた訳ではないが、横浜創英AにはMF栗原迅平、DF高橋祐飛というトップチームのレギュラーが名を連ねるなど、横浜創英Bに比べて実力を評価されている選手たちが入っていた。だからこそ、横浜創英Bの選手たちは「下剋上やってやりますよ!」と気合十分で決勝に臨んでいた。

 試合は相手の実力を知っているからか、互いに警戒した入り。その中で横浜創英Aは2分に栗原が決定的なシュートを放つなど押し込んでいくが、横浜創英Bも6分に左サイドの菅原健太のラストパスから決定機を迎える。前半終盤は横浜創英Aに先制のチャンス。8分、高橋のラストパスから中山陸がビッグチャンスを迎え、10分にも中山の決定的な一撃がポストをかすめた。

 後半も立ち上がりから横浜創英Aが攻勢に試合を進めたが、横浜創英Bは入学式前の新1年生GK小林朋生が好反応のセーブで危機を救う。すると3分、横浜創英Bは安次嶺佑樹がクロスバー直撃の右足シュート。だが跳ね返りを拾った横浜創英Aは一気にカウンターを発動すると、抜け出した高橋が右足で先制ゴールを決めた。

 先制した横浜創英Aはその後、落ち着いてゲームをコントロールしていく。だが5分、横浜創英Bは一撃で同点に追いつく。左サイド、ゴールへの角度がほとんどない位置でボールを持った菅原が左足シュートをねじ込んで1-1とした。

 終盤、横浜創英AのGK宮島大知がスライディングボレーでクリアするビッグプレーを見せれば、横浜創英BのGK小林が至近距離からのシュートを連続してストップする。両GKが好守を見せる中、横浜創英Aは終了間際に稲積真樹が放ったシュートが右ポストを直撃。やや大人しかった前半から、後半半ばを過ぎると一気にヒートアップした試合は1-1のまま3人決着のPKへ突入した。PK戦では互いに譲らず3人ずつが成功。4人目、先攻の横浜創英Aが失敗したのに対し、横浜創英Bは中山勇が緩やかな軌道の右足シュートでゴールネットを揺らして4-3で勝った。

 横浜創英Bがやり遂げた「下剋上」。横浜創英の宮澤監督は「Bには試合に出ている子がいません。それがモチベーションになって、やってやろうという気持ちが勝ちに繋がったんだと思います」と、その勝利への姿勢に目を細めていた。そして普段から狭い局面で確実にボールを繋ぐトレーニングをしてきているだけに、スモールフィールドでの技術が試された大会で「2チームがここまで来れたので、成果を出せたので嬉しいですね」と笑顔。同時に「もっと正確にできなければいけない」とより成長を求めていた。

 スペシャルゲストとして大会を見守ったセルジオ越後氏は表彰式で「(普段チーム内で)まず味方に勝たないといけないね。AとかBとか関係ない。オレが出るんだという気持ちを持って。それでチャンスもらったら敵に勝ちに行くんだという順番を忘れずにいてほしい」とメッセージ。横浜創英のBチームがAチームを破った成し遂げた優勝は、どこにいてもチャンスを掴むことができることの証明だ。セルジオ越後氏は参加した各選手たちがまずは日常からチームメートに勝つことを目指して、努力することを期待していた。

(取材・文 吉田太郎)

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