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浦和DF森脇、鮮やか決勝弾も「ミシャに無視された…」

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[4.4 J1第1ステージ第4節 浦和1-0松本 埼スタ]

 苦しむチームを救った。一方的に攻め立てながらも、なかなか松本山雅FCのゴールをこじ開けられない浦和レッズ。しかし、スコアレスドローもチラつき始めた後半40分、DF森脇良太が鮮やかな決勝ゴールを突き刺した。

 右サイドを突破したMF関根貴大からボールを受けた森脇には、ゴールを狙うという意識があった。それは直前のプレーで「クロスを選択して合わない場面があった」から。「そのときに槙野(智章)に『シュートを打っていいよ』と言われたし、大ちゃん(那須大亮)からも『ドンドン打っていいよ』と言われました。だから同じ状況になればシュートを打とうと決めていました」。チームメイトからの言葉が、森脇の背中を後押しする。

 中央にボールを持ち出すと、「自分が好きなゾーンだったし、コースが見えた。体勢が崩れたけど、思い切り振り抜こうという気持ちがあった」と左足を振り抜く。鮮やかな軌道を描いたボールは、ゴールマウスに吸い込まれ、値千金の決勝ゴールが生まれた。

 ゴールを決めた森脇は、「やった!! という感じで、どこに喜びに行こうかと考えるよりも、体がベンチに向かっていました」とベンチへ、そしてペトロヴィッチ監督の下へと向かう。しかし、ここで事件が起こった。

「自分をここまで育ててくれたのは監督だと思っているので、監督の下に行きましたが、今日は監督が僕に背を向けていて…。『ミシャ、ミシャ』と呼んでも、ずっと無視されていました(笑)」

 しかし、「強引に抱き付いた」と指揮官と喜びを分かち合ったヒーローは、「今日は奇跡が起きました。今日のようなシナリオでゴールを決められるのは、あまり見られないと思います」と感情を爆発させた。

(取材・文 折戸岳彦)
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