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待望のエースの一撃! 復活ゴールのFWムルジャ「厳しいリハビリが報われた」

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[4.5 J2第6節 大宮2-0熊本 NACK]

 5節を終えて、FWにゴールのなかった大宮アルディージャに待望の一撃が出た。0-0で迎えた後半6分、MF泉澤仁からのロングパスに抜け出したFWムルジャがボールを収めてゴールネットを揺らした。開幕戦で負傷して以来の先発出場で、しっかりと結果を出した。このゴールもあり2-0で熊本に勝利。3試合ぶりに勝ち点3をつかんだ。

 試合後、ムルジャは「勝ち点3というのは試合前にみんなが望んでいたことです。自分としても満足しています。ケガのせいでしばらくグラウンドから離れざるを得ませんでした。でも、試合に出られないのは好ましくないので、ハードワークしてケガを治して戻ることができて良かったです」と、チームの勝利、そして先発出場できたことを喜んだ。

 得点については「もちろん嬉しいが、チームが勝てたことの方が重用です。今日の試合、仮に自分が点を取れていなくても、勝てていたのであれば、同じように喜んでいたはずです」と冷静だ。とはいえ、大宮の最前線には特別な個の力があることを示す一撃でもあるだろう。

 得点シーン、泉澤からのロングボールが出たとき、よりボールに近い位置にいたのは相手DFだった。ムルジャはそこからボールと相手の間に体を入れた。ただし、この時はフィジカルの強さではなく、予測力で相手を上回った。

「今日は雨も降っていて、グラウンドが濡れていました。ボールがバウンドしたときに(ボールが)スピードアップしたんです。それをうまく使って、良いポジションを取り返しました。ボールがスピードアップしたとき、僕もスピードアップし、相手との間に体をグッと入れることができました」

 ボールと相手の間に体を入れることができたら、あとは持ち味のフィジカルの強さで相手を抑え、落ち着いてシュートを打った。「重要なのは勝つことですが、自分はFWですからね。やはりシーズン初ゴールを挙げられたことは、自分にとって大きな意味があります。特にケガの後、先発に復帰した試合で決められましたからね」と言い、「厳しいリハビリを乗り越えて来たことが報われたんだと思います」と、笑顔を見せた。

 6節にして今季初ゴールを挙げたムルジャに対し、渋谷洋樹監督は「彼はトップスコアラーも狙える」と、大きな期待を寄せる。「そう評価してもらえることは感謝します」とムルジャは言うが、それよりも大切なことがあるという。

「開幕戦、60分くらいでケガをしてしまい、それ以降の4試合はほとんど出られませんでした。自分の思い描いていたスタートとは、かけ離れてしまいましたが、シーズンは長い。まず一生懸命にコンディションを戻せば、結果は後からついてくるはずです。結果として、得点王になれたら光栄ですが、それ以前にチームが優勝することが重用です」と、チームのタイトル獲得のために自身の仕事を全うすることを誓った。

(取材・文 河合拓)

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