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[MOM1364]武南MF紺野和也(3年)_緩急自在、ドリブルで違い生み出す“武南のメッシ”

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.18 関東高校大会埼玉県予選準々決勝 東農大三高 1-3 武南高 西武台高第2G]

 運動量やシュートなど課題はある。それでも名門・武南高で昨年も名門の主力を担っていた注目ドリブラー、MF紺野和也(3年)が見せるドリブルは別格だ。「ドリブルは自分の特長なので誰にも負けたくないというのがあります」という紺野はこの日もタッチライン際から対応するDFと入れ替わるように抜き去ると、一気にゴール前まで侵入してシュートを放った。前半29分にはサイドチェンジを右サイドで受けるとドリブルで一気に中央まで持ち込んで左足シュート。36分にも中央から右前方へのドリブルで2人をかわして決定的な右足シュートを放った。39分にはドリブルからスルーパスを通し、後半にも突破から決定的なクロスを放り込むなど、彼がドリブルで仕掛けるとその多くはシュートシーンに繋がっていた。

 バルセロナFWリオネル・メッシのドリブルが参考。小柄なレフティーである紺野は常に自分がコントロールしやすい形でボールを運び、緩急を加えてDFを置き去りにしてしまう。「相手の重心をずらした瞬間に一瞬で相手の前に入っていくとか、ボールの置きどころは常に意識しています。相手が足を出しそうなところに(ボールを)置いて出てきたら抜く」。また、その加速力が相手にとっては脅威。春の県外遠征で強豪校と対戦しているが、その際も「ドリブルは通用しました」。自身の武器については手ごたえを増している。

 この日はその個人技でチャンスを演出し、左CKでアシストも記録したが、シュート5本で無得点。本人は利き足と逆側の右足シュートの向上などを課題に挙げる。「点獲れなかったというのは悔しかったです。まだ力が足りないです。シュートいっぱい打ったのに点決めれていないし、試合を決めれるプレーヤーになりたいので勝負強さというか、そういうところは頑張ってつけたい」と誓った。

 周囲からは入学当初から“弱い”と言われ続けてきたという今年の武南。その中で昨年からの主力である紺野は「(出ていたのは)自分しかいない。引っ張ってついてきてもらえるようにしたい」と意気込む。結果を残して今大会は関東大会への出場権を獲得することが目標。「(市立浦和と対戦する準決勝)あしたは絶対勝って関東大会に出て上の方に行きたいです」。ドリブルだけではないところを見せて、チームを勝利へと導く。

(取材・文 吉田太郎) 

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