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“いける”と思ったが…名古屋FW小屋松「西川さんとの差を感じた」

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[4.25 J1第1ステージ第7節 浦和 2-1 名古屋 埼スタ]

「正直、いけると思った」。本人がそう思ったように、スタジアムに詰め掛けた観衆の多くも、そう思ったかもしれない。しかし、名古屋グランパスFW小屋松知哉は訪れた好機で、シュートまで持ち込むことができずに唇を噛むことになった。

 0-1と浦和にリードを許して迎えた後半開始から、小屋松はピッチに送り込まれた。「守備の時間が多くなっていたし、あまり攻撃に出ていけていなかった」とベンチから眺めていた前半の印象を語ると、「攻撃に推進力を出すために、裏のスペースを有効利用できればと考えていました」と自らの役割を果たそうとしていた。

 そして迎えた後半6分、小屋松が魅せる。相手CKの場面からカウンターの急先鋒となると、敵陣へと大きくボールを蹴り出して相手選手を一気に置き去りにする。GK西川周作が簡単には飛び出せない絶妙な位置にボールは転がり、スピードに乗った小屋松がボールに向かって走り出した。

 ここで背番号22がボールに到達すれば、名古屋は大きなチャンスを迎えることとなったが、先にボールに触ったのは勇気を持って飛び出した西川だった。スライディングでのクリアに遭い、小屋松は大きなチャンスを逃すこととなった。

「正直、いけると思いました。ボールを前に出したときに西川さんが下がったのが見えたので、ちょっとスピードを落としてファーストタッチに意識が向いてしまいました。そのタイミングで、西川さんが飛び出してきたので奪われてしまった。日本代表選手との経験の差を感じましたね」

 プロ1年目となった昨季はリーグデビュー戦で負傷し、わずか1試合の出場に止まった。しかし、本人は「辛かったのは確かですが、いい経験だったと捉えています」と前向きに語る。そして、負傷から復帰した今季は開幕スタメンを飾ると、その試合でJ初得点をマーク。浦和戦を含めて全7試合に出場し、先発も4試合を数えている。

 飛躍のときを迎えようとしているが、「もっと結果を残さないといけません」と声を強めた。「チームの勝利を第一に考えながらも、やっぱり得点がほしいです。プロとしての役割を果たしていきたい」。かつて高校選手権で脚光を浴びたアタッカーは、プロサッカー選手として結果を追い求める。

(取材・文 折戸岳彦)
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