beacon

[MOM1367]市立船橋MF西羽拓(2年)_指揮官評価する「渋い」プレーと際の強さ

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.25 高円宮杯プレミアリーグEAST第3節 市立船橋高 1-0 清水ユース グラスポ]

「(彼はボールの)取られ方が上手。(ボールの失い方が)ダメな子って完全に入れ替わってしまう。でも、彼は運ぶことが上手くて、(DFに当たられても)自分のところにガチャってこぼすから、『ヤバイ』っていうシーンが少ない。意外に見てもらえないけれど、渋いところなんですよ」。市立船橋高の朝岡隆蔵監督は2年生MF西羽拓の目立たないながらも、「際のところで」チームに貢献している部分を評価する。そして「走れます。そして(激しい接触プレーも)厭わない。小っちゃいけれどガーンといける」と朝岡監督は名門にとって欠かせない部分も推す理由に挙げていた。

 ビッグセーブを見せたGK寺尾凌や決勝点を決めて攻撃面でも活躍した白井達也、杉岡大暉の好守も光って1-0で勝ち切った市立船橋だが、指揮官から「キーになる」と送り出されていた西羽とMF工藤友暉の両SHの運動量も見逃すことはできない。西羽は「(自分自身で)運動量はあると思っている。監督にも試合前から攻守において工藤さんと自分の脇が走れるかがキーと言われていた。そこはベースなので意識していました。(清水ユースは)攻撃の時に同サイドで固めてきていた。そこで(逆サイドへ)変えさせたら辛いので、同サイドで奪い切るということで強く行って、逆サイドに変えられないように絞り込みをして相手のボランチを消したり、守備で奪うことを意識しました」。献身的な守りで味方の危険を減らすことに務め、切り替えの速さ、運動量も発揮。ワンツーから鋭く切れ込んでシュートへ持ち込むシーンもあった攻撃面では結果を残せず、本人も「監督からもっとゴールに関われと言われる。そこを改善できていない。もっと突破に関われるようにして、自分でゴールを狙えたらいいと思います」と悔しがっていたが、それでもしっかりと勝利に貢献した。

 昨年から主力を務める選手が半数以上残る中、2年生で先発を務める西羽は、覚悟を持ってプレーしている。「今は『試されている』期間なので、ここで結果残せないとポジションを取られてしまう」と気を抜くことなくプレー。その必死なプレーがいい形で結果に繋がっている。1年生の中で存在感を示した昨年はトップチームへ食い込み、全国高校総体メンバーの17名に選出されてプレミアリーグでも先発機会を掴んだ。だが、昨年はまだトップチームでは力不足でボールを奪われて相手のカウンター攻撃の起点になってしまうこともあったという。それでも、課題として1タッチのパスを磨き、相手から上手く間合いを取ってプレーするなど「奪われない」ことに注力。意識して運動量も増やした。力を出し切れなかった昨年から、今年は評価も得てチームの力になっている。

「(課題は)練習とかではゴールへの関わり方とか、足元で止まっちゃうことが多い。スプリントの回数が少なくて、シュートの数も少ないのでもっとゴールに関わる回数を増やしたい。攻守において運動量をもって、そこでまずチームに貢献できるようにすること。それがベースなのでしっかりとできるようにして、またゴールが少ないので、自分もどんどんゴールを狙って勝負を決められるようにしたい」。開幕3試合を2勝1分と好スタートした市立船橋。危機感を持ってプレーしているMFはまだまだ貪欲にプレーして結果を求めていく。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
2015プレミアリーグEAST

TOP