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声落とす攻撃の軸、千葉MF谷澤「皆から超いじられている」

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[5.3 J2第11節 千葉 3-0 横浜FC フクアリ]

 ボールを持つたびに観客を沸かせる。MF谷澤達也は高い技術を駆使したボールコントロールで、ジェフユナイテッド千葉の攻撃の軸として存在感を示している。

 高いキープ力を誇る谷澤がボールを受けると、チームメイトが前線へと走り出すように攻撃のスイッチ役となっているが、自らも切れ込んでチャンスを増大させる。後半6分には相手DF2人に囲まれながらも強引に突破を図り、DF市村篤司のファウルを誘って退場へと追い込んだ。相手守備網を切り裂くドリブルだけでなく、股抜きのパスや鮮やかなボールコントロールで攻撃に変化を加えるたびに、サポーターからは大きな歓声が送られた。

 攻撃面での貢献が高い谷澤だが、今季はより守備面での貢献を高めている。「今は守備からスタートというくらい、チームは守備にこだわってやっています。守備でリズムを作って、その勢いで攻撃を仕掛けられているので、今までにない千葉のスタイルだと思うし、皆が今は伸び伸びやれているのかなと感じます」。チームのスタイルの変化とともに、自身のプレーの幅を広げているようだ。

 自身は昨年10月に30歳を迎えた。ここ数年でチームも若返り、横浜FC戦でピッチに立った選手ではMF佐藤健太郎とともに最年長選手だったように、チームでは年長者となった。周りに若い選手が増えたことで、「僕はあんまり発言とかできないので、チームの雰囲気だけは壊さないように意識しています」と苦笑したものの、「試合中も自分のところでリズムを止めないように、流れを崩さないようにという意識が強くなりましたね」と、よりチームのためにという気持ちが強くなっていると明かした。

 “チームのために”と力強く話した谷澤だったが、自身のゴール数に話が及ぶと声を落とした。ここまで全11試合に出場も無得点という現状に、「10ゴールを決めるとずっと言っているのに、本当に決められていないので…。皆から超いじられているんですよ」と語りつつも、「ただ、さすがにそろそろ決めないといけませんよね」とチャンスメイクだけでなく、自身のゴールでサポーターを沸かせることを誓った。

(取材・文 折戸岳彦)
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