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[JFAプレミアカップ2015]王者・広島ジュニアユースを延長戦で撃破!京都U-15が4年ぶりの日本一へ王手

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[5.4 JFAプレミアカップ準決勝 京都U-15 2-1 広島ジュニアユース J-GREEN堺]

 4日午後、U-15年代の日本一を決する「JFAプレミアカップ2015」準決勝が行われ、第2試合では、3年ぶりの優勝を目指す京都サンガF.C. U-15(関西、京都)と2連覇を狙うサンフレッチェ広島ジュニアユース(中国、広島)が激突した。

 ともに過去2度の優勝経験を持つU-15年代の強豪で、今大会も京都U-15が3試合で11得点1失点と力の差を見せて1次ラウンドを突破。広島ジュニアユースも第2戦の名古屋グランパスU15(東海、愛知)戦は引き分けに終わったが、残り2試合はきっちりと勝利し、グループCを首位で通過した。

 実力者同士の一戦とあり、試合は白熱。キックオフと同時に一進一退の攻防が続いた。まず、チャンスを作ったのは京都U-15。8分、後方からのロングパスにFW津野絢世が反応。DF西原広太と競りながらゴール前に抜け出したが、シュートは打ちきれず。続く10分、右サイドの突破から中央のMF江川慶城がシュートを狙ったが、枠を捉えることができない。以降も、京都U-15は「前から行く所と引いて守る判断が的確。それぞれの対策を選手たちが映像を見ながら、どう攻略するか考えた」(岸本浩右監督)と状況に応じたボール奪取から、攻撃に転じたが、チャンスを活かせなかった。

 対する広島ジュニアユースは12分に西原が手を痛めて交代するアクシデントが発生。ゲームキャプテンを務めた彼の離脱は手痛いモノとなったが、「痛い交代でしたが、それもサッカー。仲間が外れたことで彼らの思いも強くなっただろうし、マイナスばかりではない」(迫井深也監督)と全員のハードワークでカバーした。しかし、「相手に警戒されて上手く行かなかった」とFW桂陸人が悔やんだように、京都U-15DFの粘り強い守りを崩せず、シュートはDF森内幸佑のロングシュートなど2本のみ。両者、均衡を崩せないまま、前半を終えた。

 試合が動いたのは後半開始直後の3分。京都U-15MF福岡慎平が右CKをゴール前に入れると、先に反応したのは広島DFだったが、ヘディングしたボールは京都U-15・江川の頭上へ。混戦状態から、江川が冷静に頭で押し込んで先制すると、京都U-15は続く6分にも中盤でのクリアボールが前線に渡り、MF杉田迅がシュートを狙った。だが、枠を捉えることができなかった。その後も、福岡からDF岡崎駿希に繋いだパスから津野がゴールを狙うなど京都U-15は攻め込みながらも、2点目を奪えずにいると、今度は広島ジュニアユースのターンが訪れる。

 2日間で4試合をこなすハードな日程から広島ジュニアユースの選手たちの動きが落ち始めたが、22分に右CKのこぼれ球にMF山崎大地が高い位置で反応。ドリブルからPA左のMF大堀亮之介に入れると、素早くゴール前に折り返し、最後はFW棚田颯が頭で押し込んだ。足が動かない時間帯に見せた執念での一発は、「ウチが昔から、先輩や色んな人たちが築きあげた得意な部分」(迫井監督)と広島らしさを体現するもの。広島ジュニアユースはその後も勢いに乗り、2点目を狙ったが、京都U-15も意地を見せ、1-1で延長戦に突入した。

 同点に追いつかれてからは後手を踏む時間が増えた京都U-15だったが、延長戦に入ってからは再び攻撃のギアを全開に。延長前半に3分に右CKを獲得すると、グラウンダーのボールをゴール前に展開。一度は相手にクリアされたが、高い位置でFW栗山高季が拾って、再びPAにパスを入れる。受けた福岡が相手に囲まれた状態から、ターンで上手くかわし、左足でシュート。これが決まって再びリードした京都U-15は、最後は効果的に時間を使い、逃げ切りに成功。2-1で勝利し、4年ぶり3回目となる日本一に王手をかけた。

(取材・文 森田将義)
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