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[JFAプレミアカップMOM]京都U-15MF福岡慎平(3年)_頼れるエースが延長V弾

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[中学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.4 JFAプレミアカップ準決勝 京都U-15 2-1 広島JY J-GREEN堺]

 頼れるエースMF福岡慎平(3年)の一撃が、京都サンガF.C. U-15をピンチから救いだした。

試合序盤は「相手は前から来ていたので、裏を狙っていたけど、相手の8番に負けてしまっていた」と広島ジュニアユースのアンカーMF山崎大地の守りに福岡は苦戦したが、時折見せる鋭い切り返しやパスで攻撃を牽引。両チームともに連戦から来る疲労が見え始めた後半からは、「世界に行きたい、勝ちたいという気持ちが皆にあるんで走り切ることができた」とアグレッシブな戦いが代名詞の広島を上回る動きでチームを盛り上げた。後半2分には自身が蹴り込んだ右CKが相手のクリアミスを誘発。これをMF江川慶城が頭で押し込み、先制した。以降も果敢に戦い、逃げ切りを狙ったが、勝利も見えた後半23分に広島ジュニアユースFW棚田颯に得点を許し、試合は振り出しに。ここからは、波状攻撃を受けるなど一気に勢いを失い、「皆の落ち込みが凄かった」と福岡は振り返る。

だが、京都の選手には負けられない理由があった。2年前にもグループリーグを突破し、決勝戦に進出したが、試合終了間際に追いつかれると延長戦でも失点し、大宮ジュニアユースにタイトルを譲った。当時、チームに入りたての福岡はスタンドから先輩たちを応援。「先輩たちの借りを返したかったので、絶対に勝ち続けたかった」という気持ちで今大会に挑んでいたという。

 当時と同じく後半の終盤に与えた失点。嫌な記憶が頭をよぎりながらも、リベンジの思いを強くして迎えた延長戦で福岡は最後の気力を振り絞り、全力疾走。延長前半の3分に右CKのチャンスを迎える。ゴール前に展開したボールは相手DFにクリアされたが、途中出場のFW栗山高季が高い位置でカット。素早く彼からのパスを福岡がゴール前で受けたものの、DF複数人に対応された。だが、鋭いターンでPA左に抜け出して左足でシュート。「正直、たまたまという感じでコースが空いていたので打ち切りました」という一撃がネットを揺らした。「後半の25分くらいから、足攣りかけていた」と話すように満身創痍の状態で呼び込んだ勝ち越し弾。喜びを爆発させた瞬間、両足を攣ってしまったため、祝福ムードはすぐに終了。チームメイトから処置を受けるおまけもあったが、「点を獲ることができて、本当に嬉しい」と破顔した。

 決勝まで進んだものの、ここで終わりではないことは選手皆がよく理解している。2年前、決勝の舞台で涙した先輩たちのリベンジを果たすのはここからが本番。栄冠を掴まなければ意味がない。全力で頂点を目指す京都の中心には、この日と同じく福岡がいるはずだ。

(取材・文 森田将義)
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