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「1点取れればほとんど終わらせることができる」宇佐美のアウェー2GでACL8強に大きな一歩

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[5.20 ACL決勝トーナメント1回戦第1戦 FCソウル 1-3 G大阪 ソウル]

 膠着状態を打破したのは、ガンバ大阪のエースによる鮮烈なボレーシュートだった。後半18分、パス交換で左サイドを崩すと、DF藤春廣輝のクロスにFW宇佐美貴史が右足で合わせる。矢のようなボレーシュートが、文字通りゴールネットに突き刺さった。「あのまま中に入っていくよりは、マイナス気味でサポートしたほうがいいと思った」。ペナルティーエリアの外から入ってきてのゴールを、宇佐美はそう回想した。

「結構フリーだったので、トラップすると思った」と思い返すのはアシストを記録した藤春。その予想を裏切り決めた宇佐美のテクニックを「貴史のレベルだったらダイレ(クト)でシュートもいける」と賞賛。対する宇佐美も「『ナイスボール!』って言ってくれた」といい、スーパーゴールを互いに讃え合った。

 相手のFCソウル(韓国)は、「思い出深い相手」(宇佐美)だ。2009年5月20日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループリーグ第6節。先発でプロデビューを飾った17歳のストライカーは、後半19分にプロ初ゴールも決めてみせた。6年前は1-2で敗れ、同時に悔しさも味わったが、この日の結果は当時とは逆になった。

「正直、代えようかと思うくらい、ミスが多かったし、体切れていなかった」と長谷川健太監督が明かした前半から一転、ノッてしまった宇佐美は、1点では止まらかった。後半41分、MF遠藤保仁のパスを受けると、残るDFにドリブルを仕掛け、シュートコースをつくると左足からシュートを繰り出し、ゴール右隅に沈めた。これでACLでは3試合連続となる4点目。11試合10得点を挙げているJリーグだけでなく、アジアの舞台でも着実に調子を上げている。

「しっかり(失点を)ゼロでおさえながら攻撃的にやりたいですし、1点を取ればほとんど終わらせることができるので。そういう気持ちでやりたい」。貴重なアウェーゴールを3点奪ったG大阪。ACLを制した2008年以来となるベスト8入りを懸けた戦いは、来週27日、ホーム・万博記念競技場で行われる。

(取材・文 奥山典幸)

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