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[総体]ユース取材ライター陣が推薦する「総体予選注目の11傑」vol.5

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特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『全国高校総体予選注目の11傑』」

 ゲキサカでは熱戦がスタートしている平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技(兵庫)予選の注目選手を大特集。「総体予選注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター各氏に総体予選注目の11選手を紹介してもらいます。第5回は、(株)ジェイ・スポーツのJリーグ中継プロデューサーを務める傍ら、東京都中心にユース年代のチーム、選手を取材する土屋雅史氏による11名です。

土屋雅史氏「今回も重点的に取材している東京の中から選出させてもらいました。東京は各校の特徴に多様性があって、面白い選手がさまざまなチームに散りばめられています。選出には非常に悩みましたが、これで『東京の総体予選に行ってみようかな』と思って下さる方が1人でも増えるのであれば幸いです」

GK松山凛之介(武蔵高)
「関東大会予選で都立駒場と多摩大目黒を相次いで撃破し、ベスト8まで躍進した私立武蔵の守護神を務める2年生。上背こそそこまでないものの、キャプテンのCB槙憲之と共に守備陣を統率。的確なコーチングと抜群の反応を武器に、1試合に数本のファインセーブはもはやデフォルトの域まで。今大会の1次予選でも昨年の選手権予選ベスト4の保善を破るなど、都内に旋風を巻き起こしつつあるチームの象徴的な存在になっている」

DF黒石川瑛(実践学園高)
「高精度キックを武器に持つ攻撃的右SB。オーバーラップからのクロスに加えて、セットプレーのキッカーとしてもゴールとアシストを量産中。ある対戦相手の監督が試合後に『あの子は右足でほとんど思った所に蹴れているよね』と絶賛していたことも。とりわけチームの大きな得点源になっている鋭いCKを、状況に応じてニアとファーへ蹴り分けられる判断力も特筆すべきポイント」

DF飯塚小次郎(東久留米総合高)
「今シーズンから新たに3-4-3を導入している久留総で、3バックの右を務めるのがこの飯塚。守備でも粘り強い対応を見せるものの、元々は1年時からSBでの起用が多かっただけに、タイプ的には森脇良太(浦和)や塩谷司(広島)のようなオーバーラップ系のCB。機を見てスルスル上がり、決定的なシーンに顔を出すセンスも兼ね備える」

DF東岡信幸(堀越高)
「昨年の選手権予選で西が丘を2試合経験したガッツ溢れるCB。危機回避のためなら全身でのシュートブロックも辞さない守備での貢献度はもちろん、セットプレー時には佐藤実監督も『ヘディングも結構頑張ってやっている子』と認める頭での決定力も堀越の大きな武器に。今シーズンは副キャプテンに就任し、ボトムアップ理論を導入するチームをキャプテンの富樫草太と共にまとめている」

MF道願翼(関東一高)
「細かいパスワークが特徴的な関東一を中盤で仕切る技巧派レフティ。昨年までは前目のポジションで使われることが多かったが、今シーズンからはボランチに固定され、相棒の浦川眞世と絶妙のコンビネーションを披露している。『できるだけ遠い所から見てプレーするようにしています』と本人も語るように、彼の左足から放たれるミドルパスとプレースキックは貴重なチームのアクセントに」

MF冨山大輔(関東一高)
「新チームになってここまで公式戦13連勝を誇るチームで、2年生ながら10番を託された独特の空気感を纏う司令塔。『難しい局面でこそ相手の発想を上回れ』と小野貴裕監督から課題を与えられている中で、高い空間認知能力から繰り出される意外性に溢れたパスは一見の価値アリ。目標の選手はイニエスタ(バルセロナ)とイスコ(レアル・マドリー)」

MF宮原直央(國學院久我山高)
「昨年の選手権全国ベスト16を縁の下で支えた安定感抜群のボランチ。久我山らしい技術の高さとインテンシティを併せ持ち、絶対に欠かせないピースとして中盤に君臨。決定的な場面から数本前のパスを遡ると、必ずと言って良いほど彼がボールを捌いているシーンが見られる。今年はキャプテンにも任命され、先輩の渡辺夏彦(慶應義塾大)や内藤健太(中央大)のようにチームをプレー面でも精神面でも牽引する存在を目指す」

MF濱川海人(大成高)
「近年都内でも存在感を強めている大成の10番とキャプテンを兼任するチームの大黒柱。昨シーズンは4-4-2のドイスボランチがベースポジションだったが、今シーズンはチームが3-4-1-2を採用する中で2トップ下に位置。豊島裕介監督も『2列目から飛び出していける選手』と評する“飛び出し”がより生きるポジションで、ゴール前での決定的な仕事を任されている」

MFリ・キョンチョル(東京朝鮮高)
「ある時はボランチ。ある時は2トップ下の司令塔。そして、ある時はストライカー。その時に監督から託された役割を完璧にこなせるスーパーポリバレントプレーヤーであり、どのポジションにいても積極的にボールを引き出せる10番を背負ったレフティ。『周りが右利きばかりで、自分だけ左利きが嫌で』一時は右利きに転向したが、周囲の薦めもあって再び左利きに戻った過去も」

FW澁谷雅也(國學院久我山高)
「昨年は1年生ながら入学直後から出場機会を得ると、夏以降はレギュラーを獲得。冬の全国も経験したドリブラー系アタッカー。軽快さと重厚さを兼ね備えた突破力は間違いなく全国レベルにあり、3トップを採用する久我山では左ウイングが主戦場ではあるものの、ストライカーポジションでも十分通用する得点感覚も見逃せない」

FW岡崎仁太朗(関東一高)
「『前線でいっぱい動いて味方が少しでも楽できるような選手になりたいです』と自ら語るように、ハードワークを厭わないストライカー。昨シーズンの活動量を生かしたサイドハーフ起用から一転して、今シーズンは4-2-3-1の“1”をゼロトップ気味に務め、本人も自信を隠さないスピードを武器にプレスの急先鋒としても機能。『守備も結構好きですね』と言うだけあって、1人でボールを奪い切ってゴールを陥れることも度々」

[写真]土屋氏が注目する國學院久我山MF宮原

■執筆者紹介:
土屋雅史
(株)ジェイ・スポーツに勤務し、Jリーグ中継を担当。群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。
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【特設ページ】高校総体2015

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