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FC東京FW武藤「どれだけ自分のプレーを出せるのか本当に楽しみ」

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 いよいよ6月からはFIFAワールドカップロシア大会の予選が始まる。FC東京に所属し、Jリーグの舞台で得点を量産しているFW武藤嘉紀は、日本代表での活躍も期待される。FIFAワールドカップに懸ける思い、そしてその道のりを、ともに戦っていく新たなる相棒について、熱く語ってくれた。

W杯には絶対に出たいですし
日本の連続出場記録を途絶えさせてはいけない


――初招集から毎回代表に選ばれ続けていますが、代表には慣れてきましたか?
「はい。だいぶ馴染めてきましたけれど、さらに今はレギュラーを取りたいという気持ちがありますし、そこでポジション争いにしっかり食い込めるようにしていきたいですね」

――ハリルホジッチ新監督には、どのような印象をお持ちですか?
「サッカーに対して、非常に真面目な方ですし、全員の意思統一を大事にする監督という印象です。ちょっと練習は規律が厳しい要素もありますけれど、戦い方、戦術がはっきりしている監督なので、選手としてははっきりしていてやりやすいのかなと思います」

――ユースの試合を観戦に行くなど、日本サッカー界全体に刺激を与えてくれていますよね。
「やはりあれだけ自分の目で試合を見に来てくださる監督は、そうそういないですよね。選手たちもどこで見られているかわからないので、一試合も気が抜けないというのはあります」

――武藤選手は、御前試合ですごく結果を出していると思うのですが、秘訣はあるのですか?
「全然そのようなことはないです。ハリルホジッチ監督が最初に視察されたときも決めていませんし」

――でも、アギーレ監督時代から振り返ると…。
「ほぼ決めているかもしれませんね(笑)。とにかく無心でやろうと考えているくらいです。それがいいのかな? 無心でやろうと考えること、ですね」

――代表では、武藤選手と同世代の選手たちが他にも台頭してきました。彼らの活躍は刺激になりますか?
「そうですね。もちろん刺激になりますし、一緒に頑張りたいと思います」

――世代別代表では、一緒にやる機会がありませんでした。
「自分が世代別代表に入れなかった悔しさは、今の自分をつくってくれたと思っています。その悔しさは、今も強く残っています。当時、悔しくなかったということは決してなかったですし、それでも、とにかく自分のペースでコツコツと積み重ねてきたことが、こういう結果になっていると思います。これから、さらに成長するために、とにかく小さいことにもこだわって、毎日、毎日、少しずつでも成長していきたいと思います」

――Jリーグの得点ランキングでも、宇佐美選手との92年生まれの2人の争いは熱いですね。
「宇佐美選手は本当に素晴らしいプレーヤーです。お互い、こうやって高め合っていければ、さらに自分自身も成長できると思いますし、何とか食らいついていきたいです」

――宇佐美選手を追い掛けている感じですか?
「そうですね。得点ランキングでも、僕が追い掛けている状況ですからね」

――FC東京のDFの選手たちは、ハリルホジッチ監督就任直後は、代表と所属クラブでやり方の違いに戸惑っていました。ただ、武藤選手のように前線の選手は、所属クラブと求められているものが似ている気がするのですが。
「そうですね。前から行くというやり方は同じなので、やりやすいです。自分自身、攻守にハードワークできるのが持ち味だと思いますし、そこについては求められていることが変わることはないと思うので、やりやすさは感じています」

――いよいよ6月からはFIFAワールドカップロシア大会の予選も始まります。
「公式戦ですし、さらにFIFAワールドカップの予選になると、緊張感もさらにすごいものになると思います。その中で、どれだけ自分のプレーを出せるかが本当に楽しみです。そこにベストな状態で入れるように、まずはJリーグで結果を残し続けるしかないなと思います」

――FIFAワールドカップ予選だと、緊張しそうですか?
「絶対に緊張しますよ(笑)。緊張しない試合は今もありません。特に代表の試合前は、緊張しなかったことがないです。でも、FIFAワールドカップには絶対に出たいですし、日本の連続出場記録を途絶えさせてはいけないと思っています。全国民の期待を背負うわけですから、すごい緊張感だろうなと思いますが、それだけやり甲斐もあるなと思っています」

――アジアカップや親善試合のウズベキスタン戦も経験しましたが、アジアの相手と戦う難しさは感じていますか?
「難しいですよ、本当に。引いてくる相手に対して、どれだけ決定機をモノにできるか。一発、先に入れられてしまうと、厳しい試合になってしまいます。とにかく失点しないで、いかに早くゴールを取れるかが大事になってくると思っています」

――アジアの先にはFIFAワールドカップもあります。これまでに一番印象に残っているFIFAワールドカップは?
「日本がベスト16に勝ち進んだ2010年の南アフリカ大会です。ずっと日本代表を応援していました。その舞台に立てる可能性があるので、本当に頑張らないといけません」

――アジアの国のピッチに立つと、日本ほど芝生が整っていないスタジアムも多いかと思います。そういうところでプレーすることで、スパイクに求めることも変わったのではないですか?
「やっぱり横ズレしないことと、フィット感が大事だなと痛感しました」

――昨年の今頃は「とにかく軽さ」と話していましたが、変わりましたね。
「軽さも大事です。軽さも求めますが、フィット感と安定感。これは本当に大事だなと海外で戦って思いました。海外はピッチがぐちゃぐちゃなところもありますし、逆に固い所もあるので、安定性がないと、難しいのかなと思います」

――今回、adidasから発表された『X』というスパイクの履き心地はいかがですか?
「すごいフィット感ですよ。まさに、これを求めていましたね。くるぶしまで包んでくれるので、足との一体感がすごいです。この足首回りまでカバーされることで、さらにフィット感が増しています」

――くるぶしの部分をシューズで包むことはなかったと思いますが、気にはならないのですか?
「全く、気になりません。このスパイクを初めて見たときから『これはすごいのが来たぞ』と、楽しみだったのですが、履いてみたら、スパイクが自分の足の一部になるような感覚で『これはプレーしやすいな』と感じました」

――見た目という点では、adidasのシューズでは異例の3本線がないデザインです。
「デザインは面白いですよね。良い意味で、これまでのadidas感を一新しているなと感じました。黄色というのも、いいですよね。これは黄色に限らずなのですが、派手な色のスパイクが好きなんです。普段は全く派手ではないのですが、スパイクだけは派手な色が好きなんです」

――このシューズとともに、更なる飛躍が期待されます。
「デザインを含めて、adidasもすごく新しい挑戦をしているなと思いましたし、それはFIFAワールドカップ予選に挑む自分の心境にも合っています。スパイクの力は、本当に大きい。自分の技術も必要ですが、スパイクに助けられる部分もすごく大きいんです。どんなプレーをするにしても、スパイクが良くなければ、良いステップは刻めません。スパイクがあってこそ、プレーが成り立ちますから。新たな挑戦を、新たなスパイクで出来るのは楽しみです」

(取材・文 河合拓)
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