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今季初ゴールの大宮FW清水「あそこまでうまくいくとは…」

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[5.31 J2第16節 大宮2-0福岡 NACK5]

 大宮アルディージャがホームにアビスパ福岡を迎えた一戦は、90分を終えても0-0だった。それでもアディショナルタイムに大宮は2点を奪い、2-0で勝利を収めた。

 後半25分にMF泉澤仁との交代でピッチに送り出された清水慎太郎は、そのまま左サイドハーフの位置に入った。前半をベンチで見ながら「良い形で攻めていて点が取れないので、結構、難しい試合になっていました」と感じていた清水は、「自分が入ったらこうしようと考えていることはありましたが、まさかあそこまでうまくいくとは思いませんでした」と、笑顔を見せた。

 後半アディショナルタイム1分、同じく交代出場したFWムルジャからのパスを受けて、今シーズン初ゴールを泥臭く挙げた。ムルジャからパスが来るかどうか、「半信半疑」だったという。「ムルジャがうまく縦に抜けてくれて、あそこで普通だったら中にいるのですが、『ムルジャなら自分でシュート打っちゃうかな』と半信半疑で走っていました。パスが来て良かったです。泥臭かったですよね? 良かったです」と、喜んだ。

 シュートを打った直後には福岡のGK神山竜一と接触したが「嬉しくて、GKと接触しましたが、その痛さも嬉しすぎて全然感じませんでした」と、笑顔が止まらない。

 それだけ欲していた1点でもあった。今シーズン、期限付き移籍していた岡山から復帰。これまで7試合の先発出場を含む12試合に出場し、惜しいシュートは何本もあったが、ゴールだけが遠かった。この試合でも決定的なヘディングシュートをGK神山に防がれる場面もあったが、貪欲にゴールを狙い続けた結果が実った。

首位に立つチームで16試合目に挙げた初ゴールを「遅いっすね」と言う清水は、「自分はFWなので、結果が求められているのですが、全然点が入りませんでした。苦しい時期もありましたが、気持ちを切り替えることができていたかなと思います」と、前を向き続けた。

得点を挙げた後も、冷静だった。26日に第一子が生まれたGK塩田仁史のために、他の選手たちが揺りかごダンスをする中で、「危ないかな、と思った」と、GK加藤順大らと冷静にセンターサークルに行き、相手のキックオフに備えていた。

 自身の初ゴールの後、チームが追加点を取れたことにも手応えを感じている。「時間稼ぎをしようかな、と思ったら追加点も入った。すごく良い勝ち方だったと思いますし、チームとしての強さも感じましたが、本当に良い流れで来ていると思います」と、自信を膨らませた。

(取材・文 河合拓)

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