beacon

競争心あおるハリル監督「高徳より良い選手がいればすぐに呼ぶ」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は1日、千葉県内のホテルで記者会見を行い、11日の国際親善試合・イラク戦(日産ス)、16日のW杯アジア2次予選・シンガポール戦(埼玉)に臨む日本代表メンバー25人を発表した。

 FW原口元気(ヘルタ・ベルリン)が13年7月の東アジア杯以来の代表復帰を果たし、5月の代表候補合宿に招集されていたDF丹羽大輝(G大阪)、MF谷口彰悟(川崎F)が日本代表初選出となった一方、ハリルジャパン初陣となった3月の親善試合に招集されたメンバーのうちDF水本裕貴(広島)、DF内田篤人(シャルケ)、DF藤春廣輝(G大阪)、DF昌子源(鹿島)、MF今野泰幸(G大阪)、MF青山敏弘(広島)、FW乾貴士(フランクフルト)、FW永井謙佑(名古屋)、FW興梠慎三(浦和)、FW小林悠(川崎F)が招集を見送られた(3月の合宿ではケガのため興梠は途中離脱、小林は不参加だった)。

「日本人プレイヤーに関する知識は一番最初のころと全然違う」。3月の初選考時との違いを語る指揮官は「全員を知っているわけではないが、いろんなことを学んだ。今度はパフォーマンスで判断しないといけない」と、選考基準としてコンディションを重視したことを明かした。

 国内組と海外組で分けて考えることもないと強調。「海外組と国内組に分けるのは好きではない。日本でプレーしている選手にチャンスがないという状況はつくりたくないし、海外でプレーしているから自動的に日本代表に入るということもやりたくない」。あくまでコンディション、パフォーマンスで判断したことの一例として乾の名を挙げた。

「例えば、乾はずっと海外にいる。私たちは彼のことを追跡したが、今回は原口、宇佐美、武藤を選んだ。なぜならパフォーマンスの差だ。彼らはたくさんの試合に出ている。このポジションでは定期的に、継続的に試合に出てもらわないといけない」

 シーズン終盤の7試合でベンチスタートが続き、うち4試合の途中出場にとどまった乾を外し、逆にシーズンのラスト8試合に先発した原口を選出したのは、“ハリル基準”を端的に示していた。

 一方、所属クラブでは昨年12月11日のELフェイエノールト戦を最後に出場機会のなかったGK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)、シーズン最後の9試合で出番のなかったDF酒井高徳(シュツットガルト)は招集した。

 ハリルホジッチ監督は川島について「彼のことは信頼している。いつもいい状態で(代表に)来てくれる」と信頼を寄せるが、「試合をしていないとトップフォームにはなれない」のも事実。「彼には2、3週間かけてトレーニングしてもらう。それでどういうパフォーマンスになるか見てみよう」と、合宿の中でコンディションを見極めるつもりだ。

 酒井高については「国内組のサイドバックも追跡したが、高徳よりパフォーマンスが良い選手を見つけていないだけ」とし、「明日、高徳よりも良い選手を見つければ、すぐに呼ぶ」と、競争意識をあおると、指揮官の熱弁は止まらなかった。

「日本代表はだれにも保障されていない。全員が戦わないといけない。そのためにも国内組だけでミニ合宿を行い、競争心を海外でやっている選手にも見せたいと思っている。海外だから、国内だからということではない。この試合ではどういうタイプが必要かも考える。だれにも特別な権利は与えない。良いパフォーマンスなら選ぶ。そして競争心を植え付けたい」

(取材・文 西山紘平)
●ロシアW杯アジア2次予選特集

TOP