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[総体]佐賀宿敵対決は得点の形、シュートブロックなどで差を作り出した佐賀東が1-0で制す!!

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[6.1 全国高校総体佐賀県予選準決勝 佐賀北高 0-1 佐賀東高 佐賀県総合運動場球技場]

 平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技(8月、兵庫)佐賀県予選は1日、準決勝を行い、2連覇を狙う佐賀東高と新人王者・佐賀北高との一戦はFW大塚慎平(3年)の決勝ゴールによって1-0で佐賀東が勝った。佐賀東は2日の決勝で佐賀学園高と対戦する。

 過去5年間の総体予選決勝、選手権予選決勝でそれぞれ3回激突している佐賀東と佐賀北との「宿敵対決」は互いに良さを出し合うような展開にはならなかった。5バックを敷いて守りを堅め、縦への速い攻撃でチャンスをつくろうとする佐賀北に対し、佐賀東は幅を使って攻めたがカウンターを受ける怖さもあってか、なかなか思い切った縦パスを入れることができない。「結果だけを求めるような感じになってしまいました。勝たんと次はないわけですけど。面白くないサッカーになってしまった」と蒲原晶昭監督も複雑な表情。それでも、得意としている形から相手を仕留める一発を決め、守備でもゴール前での冷静な守り、的確なシュートブロックで差をつけた佐賀東が決勝進出を果たした。

 前半2分にセカンドボールを拾った佐賀北MF松本稜平(2年)の右足ミドルで幕を開けたゲームは7分、20分にカウンターからダイナミックな中央突破を見せた佐賀北MF上瀧悠輔主将(3年)が存在感。20分には中盤を独走した上瀧のラストパスからMF古川晃太郎(2年)が右足を振りぬくが、佐賀東DFはしっかりとシュートコースを遮ってブロックする。佐賀北は右SB堀西亮太(2年)のスピードある攻撃参加も怖さがあったが、佐賀東は冷静な守備を見せるCB本村優太(3年)や西原悠晟主将(3年)の対応が良く決定的なシーンをつくらせない。一方の佐賀東はディフェンスラインにまで落ちてくるMF伊藤友哉(2年)と中盤でボールを失わない10番MF井上達貴(3年)を起点に攻撃を組み立てていく。パスのテンポが遅いことをベンチから指摘されていた佐賀東だが、18分には左右両足から好キックを見せる右SB森田優作(3年)からのクロスボールをニアサイドで井上が合わせ、31分にも森田のキックから井上がヘディングシュートを放つ。

 前半はともにファウルによるFKやCKが多く、よく流れが止まる展開に。膠着したまま前半の終了を迎えようとしていた。だが、ここで佐賀東が先制点を奪う。35分、右サイドから森田が上げたクロスボールをファーサイドの大塚がDFから離れながらのヘディングシュート。マークを外し、強くたたきつけられたシュートは逆サイドのゴールネットへ吸い込まれた。蒲原監督が「あの逃げながらのヘディングシュートは良くやるもんですから。あのシーンは良く見ますね。逃げるんでDFはボールウォッチャーになる」。ひとつの形となっている森田のクロスと、大塚得意のヘディングシュートによって佐賀東がリードを奪った。

 先制された佐賀北は後半開始から2人を入れ替え、2分には交代出場FW前山紘輝(2年)が左足シュートを打ち込む。10分にはゴール前での混戦から左外側でフリーのFW眞柳壮良(3年)の下へボールがこぼれ、これを眞柳が右足で打ち抜くが、佐賀東GK中島豊輝(2年)がストップ。跳ね返りを眞柳が左足で押し込もうとしたが、これも佐賀東CB西原主将がスライディングでストップして同点ゴールを阻止する。逆に佐賀東はMF田中翔(3年)や交代出場のMF小川幸希(3年)の仕掛けからチャンスをつくるが、佐賀北を突き放すことができない。苦しい展開になった佐賀北も4バックへ変更した終盤に佐賀東をプッシュ。空中戦で抜群の強さを見せる井上や西原に跳ね返されながらもあきらめずに攻め続けるとアディショナルタイム、左クロスから前山が決定的なヘディングシュートを放つ。だがこれはクロスバーをたたき、主将の西原が「最後らへんチャンスつくられて。でもGKが止めてくれたり、しっかりブロックできたので良かったです。新人戦負けていたので次は負けるわけにはいかなかった」と胸を張った佐賀東が宿敵対決を制した。

 佐賀東は「物凄く成長してこの大会だともっとやれたと思う。攻撃でも点取れますからね。右足でも左足でも。一番ぐっと伸び盛りだった時に怪我してしまった」と指揮官が残念がったように、大会直前に左SB川口高良(3年)がひざを痛めて長期離脱。チームのキーマン不在の状況だが、それでも新人戦準決勝で敗れた佐賀北に雪辱して決勝進出を果たした。井上は「新人戦負けて苦しい時期もあったけれど成長できた。1、2か月ずっと走っていたんで。みんな結構走れるようになっています」。メンタル面が課題だったチームの成長も感じている。西原は決勝へ向けて「自分たちがやることは変わらない。しっかり気を引き締めて勝ちたいと思います。(昨年は)全国で選手権初戦で負けて、去年の総体でも1回戦で負けている。今年も全国行って今年はずっと勝ち上がっていきたい」。決勝も勝って、全国での勝利を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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