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決戦前夜…若きサムライがアディダスの最新スパイクを武器に世界一を誓う

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 ドイツでの3日目を迎えた4日、「adidas UEFA Young Champions 2015」へ出場する日本は、ブラジル、アメリカとともにベルリン市内の観光に出かけた。

 ガイドの案内のもと、まず訪れたのは368メートルの高さを誇るテレビ塔。その後、「あまりの大きさに感動しました」とDF綿引悠太(水戸桜ノ牧)が感嘆したベルリン大聖堂、29人のノーベル賞受賞者を排出しているフンボルト大学、ベルリンの壁のレプリカを壁画ギャラリーとして利用しているイーストサイド・ギャラリーを回り、歴史や芸術に触れた一行は、グラフィティのワークショップでリフレッシュ。3チーム18選手が作品を鑑賞し合って笑顔で談笑した。

 ディナーからは地元ドイツのチームが合流し、4チームでシュラスコを堪能。言語が異なる4か国の選手たちだが、英語を駆使して同世代との交流をはかり、DF鱧谷太亮(興國)はアメリカの選手とスパイクの交換を約束するなど親交を深めた。高校1年生のGK小林朋生(横浜創英)はアメリカのGKと隣席に。「僕がGKを始めたのは8歳くらいのときですが、向こうは11歳。しかも同い年。彼のほうが体が大きいけど、負けられない」と、5日に行われる「adidas UEFA Young Champions 2015」へ向けて闘志を燃やす。

 前日3日のトレーニングマッチでブラジル選手のシュート受けた小林は、“世界レベル”を体感したという。「日本人のトウキックくらいの振りの速さで、インステップでシュートを打ってきた。枠に飛んだし、シュートスピードも速かった」が、試合終了間際の決定的な1本をストップしたことで、1年生守護神の自信にもつながった。「思いもよらないタイミングで打ってくるとか、どんなシュートがくるかわかったので止められると思う」。

 そのブラジル戦で、綿引は相手選手と接触し、右膝を負傷してしまった。病院で医師に診てもらい、骨への異常がないことは認められている。痛み止めを打ってでも出場したいと本人は「adidas UEFA Young Champions 2015」出場を強く希望しているが、「脚を伸ばしきることができない」現状では微妙なところだ。「声を出したり、指示を出したり、ベンチからチームのために還元したい」。仮に出場が叶わなかったとしても、最後までチームと一緒に戦う覚悟を見せた。

「サッカー人生で初めて」というキャプテンを務めるMF大矢啓太(滝川二)は、アメリカ(○3-0)、ブラジル(△1-1)とのトレーニングマッチで1得点ずつ奪っており、本番でもゴールが期待される。「プレッシャーは速かったし、圧力もすごかったけど、プレースピードも、テクニックも負けてない」。チームとしても、個人としても、トレーニングマッチでつかんだ手応えは大きい。それでも「仕掛けてシュートまで持って行けたのはよかったんですけど、シュートの質が低かった」と個人としては不満が残っている。目標は「優勝しかない」とキッパリ。大会後には同会場で「アルティメット・チャンピオンズマッチ」が行われ、4チーム24選手の中から1選手のみが、アレッサンドロ・デル・ピエロファビオ・カンナバーロらレジェンドスターたちとの競演を許される。「それも狙っていきたい」。大矢は不敵に微笑んだ。

 世界に先駆けてアディダスの最新スパイク、「X(エックス)」と「ACE(エース)」を履いてプレーすることが許されている「adidas UEFA Young Champions 2015」。W杯王者ドイツの首都・ベルリンを舞台に、若き“日本代表”が世界一を目指す。

[写真]日本では7月1日に発売となる「X(エックス)」と「ACE(エース)」を履いて世界と戦う“日本代表”

(取材・文 奥山典幸)

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