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ジダン親子が夢の“競演”果たす…CL決勝は古巣ユーベに期待

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 アディダスはUEFAチャンピオンズリーグ決勝を翌日に控えた5日、決勝の舞台となるドイツ・ベルリンにフットボール拠点「adidas FOOTBALL THE BASE」をオープンし、2対2でテクニックを競い合う「adidas X/ACE 2on2 Tournament」を開催した。

 2人1組でチームを組み、各チームはアディダスから新たに発表されたフットボールスパイクの「X(エックス)」と「ACE(エース)」を1選手ずつ着用。巨大スクリーンに映し出されたバイエルンのジョゼップ・グアルディオラ監督からのメッセージで大会は幕を開けた。

 計8チームによるトーナメント方式で行われたが、ルールは“チーム戦”というよりも、むしろ“個人戦”。ミニコートでの2対2ながら、単純にゴール数を競うのではなく、観衆を沸かせるテクニックを披露した選手にそれぞれポイントが加算され、8分間のゲームが終わった時点で、より多くのポイントを獲得した「X」着用選手と「ACE」着用選手が勝ち上がる仕組みだ。

 イベントには特別ゲストとしてMFメスト・エジル(アーセナル)とMFアンデル・エレーラ(マンチェスター・ユナイテッド)が登場。審査員として大会を見守り、エキシビションマッチでは2人でチームを組んで一般参加者と対戦した。

 さらにレアル・マドリーのBチームにあたるレアル・マドリー・カスティージャで監督を務めるジネディーヌ・ジダン氏も家族とともに来場。ベノニク夫人、そして4人の息子を含めた“ジダンファミリー”がコート横で見守る中、大会は進んだ。

 ジダン氏は、レアルの下部組織でプレーし、U-19フランス代表にも選出歴のある長男エンツォとチームを組んでエキシビションマッチに出場。試合途中で次男ルカと交代し、兄弟がコンビを組む場面もあった。

 5月に行われたU-17欧州選手権では、U-17フランス代表の守護神として優勝に貢献したルカ。90年代から00年代にかけてフランス代表の黄金期を築いた父・ジダン氏と、次代を担う息子たちとの“競演”は、新たな時代の到来をも感じさせた。

 ジダン親子による“夢のタッグ”はイベントを大いに盛り上げ、観衆からは自然と“ジズー”(ジダンの愛称)コールも巻き起こった。大会では最終的に「X」着用選手と「ACE」着用選手でそれぞれ優勝者を決定。「adidas X/ACE 2on2 Tournament」は今後、日本を含めた世界各国で開催され、それぞれの勝者が集う世界大会も予定されている。

 イベントで報道陣の取材に応じたジダン氏は翌6日に迫ったUEFAチャンピオンズリーグ決勝について「素晴らしい決勝戦になることを期待している。チャンピオンズリーグの決勝は1年に一度しかないからね」と述べるとともに、自身の古巣であるユベントス(イタリア)が12シーズンぶりに決勝まで勝ち残ったことを素直に喜んだ。

「ヨーロッパの舞台で、そしてこのような決勝の舞台でユベントスを見ることができて幸せだ。たとえバルセロナが優勝候補であっても、試合は見てみなければ分からない。ユベントスはこうした大きな試合には慣れているからね。何が起こってもおかしくはないんだ」

 ジダン氏が在籍した96年から01年までの間、ユベントスはUEFAチャンピオンズリーグで決勝まで2度勝ち残ったが、いずれも準優勝だった。イタリアの名門が95-96シーズン以来、19年ぶりの欧州チャンピオンに上り詰めることをジダン氏は期待していた。

(取材・文 西山紘平)

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