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[MOM1395]清水桜が丘FW白井海斗(1年)_エース級の働き見せたルーキーが静岡決勝で決勝点!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.7 全国高校総体静岡県予選決勝 清水桜が丘高 2-0 浜松開誠館高 エコパ]

 特に後半は、この1年生FWがチームの中心だと思わせるようなパフォーマンスだった。清水桜が丘高のMF杉本隼主将(3年)が「1年生だけど頼れる存在なので、そこは信頼しています」と評し、MF名波浩やMF小野伸二、GK川口能活、MF平野孝と日本代表としてW杯に出場した選手たちを育ててきた名将・大瀧雅良監督も「身体もできてくれば、遠くからでも狙っているから面白いことができるんじゃないかな。素材的には(藤田)俊哉とか、ああいう点の獲れる子、ペナルティの中で点が獲れる子と見ている」と教え子で元日本代表の名手、藤田俊哉の名前を出して期待する存在。その1年生FW白井海斗が決勝点を含む活躍で清水桜が丘の優勝に大きく貢献した。

 前半はロングボール主体の攻撃の中でボールに絡むことができず、消えている時間が長かった。それでもボールを受ければタメをつくり、DFをわずかにずらしてパスを通すなど技術を示していたMFは後半、片瀬晴城コーチからの指示によって相手ボランチとCBとの間で受ける回数を増やすと、一気にその存在感を高める。ターンして前を向いてのプレーが多く、そのキープ力、局面局面でしっかりと通していくパスが攻撃の中心になっていた。PA付近でDFに厳しい寄せを受けても怯まず、強引に割って入っていく強気のプレーも披露。「自分は前向いた時のプレーがアイディアだったり、自分で行ったり多い。受けても後ろ向いたらゴールにつながらないので前に前に行くことを意識しています」という姿勢がチームに歓喜をもたらす。

 後半27分、清水桜が丘は右サイドでセカンドボールを拾ったFW山田柊斗が切り返しでDFを外して左足シュート。このこぼれ球にニアサイドで反応した白井が右足ダイレクトでゴールへねじ込んだ。「打てば何か起きる。ああいうちょっとしたこぼれてきたボールをしっかり1回で決めるということは、毎試合毎試合自分に言い聞かせてやっていたので決勝でもできて良かったです」。ゴールを見ることなく、感覚で打ち込んだ一撃。スキルの高さだけでなく、仕留めるという部分でも1年生らしからぬ力を発揮した白井が静岡決勝のヒーローとなった。

 憧れの選手はスペイン代表MFイニエスタ。日本時間の7日早朝に行われた欧州CL決勝でマン・オブ・ザ・マッチに選出されたイニエスタのプレーを録画して見て決勝に臨んでいた。「(イニエスタのプレーは)良かった。受けられていたので。前向いた時のプレーがアイディア多くて自分で取られないで運べるし、それ(彼の活躍)もちょっと刺激になったのかなと思います」と笑ったルーキー。清水ジュニアユース時代にクラブユース選手権全国準優勝などを経験しているが、自らのゴールで勝ち取った全国総体は高校入学後初となる全国大会でのプレー。「中盤で間で受けて前向いてアシストしたり、自分で行ったり、時にはチャンスがあれば裏に入れて行ったりしてゴールに近づけるプレーがしたい。全国大会でももっと強い相手が出てくると思うのでそこで負けないように、練習からしっかり点取れるように、やっていきたい」。コンタクトの部分や連係など課題も残すが、大瀧監督が「(常に)いいところにいるんですよ。おいしいところにいる」という感覚を持つ清水桜が丘の注目ルーキー。静岡に続き、そのプレーで全国も驚かすか――。

[写真]後半27分、清水桜が丘はこぼれ球に反応した1年生FW白井が右足で決勝ゴール

(取材・文 吉田太郎)
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