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[MOM1396]星稜GK高橋謙太郎(2年)_選手権優勝GKに負けない活躍見せる2年生守護神

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.8 全国高校総体石川県予選決勝 星稜高 1-0 鵬学園高 金沢市民サッカー場]

 鵬学園高は王者の堅守を切り崩して決定的なシーンもつくり出していた。あわや失点かと思わせるよなピンチもあった星稜高を救ったのは、2年生GK高橋謙太郎だった。前半17分、スルーパスに鵬学園MF越田瞬が抜け出したが、「パサーがヘッドダウンしてシュート打つ感じがなかったので(スルーパスが来るという)狙いを持って飛び出した」という高橋が距離を詰めてビッグセーブ。鵬学園の大応援が目の前だった後半は鵬学園がチャンスを迎えるたびに盛り上がっていく中で高橋は「準々決勝で飲まれそうになったところがあったので、そこの反省を活かして『自分を応援してもらっている』と捉えて(自らを)乗せることができていました」といい意味で楽しみながらのプレーを見せる。そして後半5分に至近距離から放たれたヘディングシュートを再びビッグセーブしたほか、バックライン背後を埋める守備範囲の広さ、そして安定したキャッチングによって完封勝利を収めた。

 この日は高橋がヒーローとなったが、星稜のGK争いはし烈だ。3年生には昨年度の全国高校選手権優勝GKで日本高校選抜候補でもあるGK坂口璃久がいる。坂口が怪我の影響でまだトップコンディションでないこともあるようだが、高橋はライバルである先輩に負けないプレーでコーチ陣たちやチームメートたちからの信頼を勝ち取っている。好セーブを連発したこの日の試合後、星稜・河崎護監督は「素晴らしい。十分やれる」と一言。決勝点を奪ったMF片山浩は「めっちゃ頼れる存在です。普段はふざけたりして頼れるかなと思うけれど、試合になったらどんなボールでも止めてくれるので信頼しています」と讃えた。プリンスリーグ北信越でも9試合中7試合にフル出場して無敗首位とリーグ最少失点に貢献。結果でも十分に存在感を示している。

 本人は自分自身が評価されている点について「今のチームに足りないことをどれだけ自分が埋められるかというところだと思う。(坂口)璃久くんは去年のチームに足りないところを埋めていたと思うし、自分は(今年のチームに)裏のカバーとか甘いところがあるから、声とかで意識させている。(今のところ)フィットしている」。坂口たちとの競争の中で必死に自分を磨いてポジションを守り、今年のチームのレベルをより引き上げ、そして勝利に貢献することを考えている。

 高橋は出場権を勝ち取った全国総体へ向けて「自分が去年選手権出場していないのでインターハイは出場機会を狙える大会。楽しみ。全国で強い相手にどれだけ自分ができるか。危ない感じはあるけれどなんか取られないのが、北信越のレベルだと思いますし、それが全国では通用しないと思うので練習から取り組んでいきたい。ハイボールは全国ではもっと高い相手が出てきますし、セットプレーの精度も上がってきますし、セットプレーの失点が一番もったいないので、流れを与えないようにしたい」と意気込んだ。「失点が少ないですし、攻撃的なGK。点取られないけれど攻撃的というのが理想なので」という理由で憧れの存在を日本代表GK西川周作(浦和)を挙げるGKが自分の持ち味を発揮しながら、ライバル、相手チームに負けずに星稜ゴールを守り抜く。

(取材・文 吉田太郎)
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