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W杯予選はホームでまさかのドロー発進…シンガポールからゴール奪えず

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[6.16 W杯アジア2次予選 日本0-0シンガポール 埼玉]

 日本代表は16日、W杯アジア2次予選でシンガポール代表と対戦し、0-0で引き分けた。FIFAランキング154位のシンガポールをホームの埼玉スタジアムに迎えた一戦。立ち上がりから何度となくチャンスをつくるも最後までゴールを奪えず、スコアレスドローに終わった。

 日本は左臀部に張りを訴えたDF長友佑都がベンチスタートとなり、DF太田宏介が左SBで先発出場。太田の先発は昨年11月18日のオーストラリア戦以来、8試合ぶりで、それ以外は11日のイラク戦(4-0)から変更はなかった。[スタメン&布陣はコチラ]

 日本は開始1分、キックオフのボールをFW宇佐美貴史のフィニッシュまでつなげ、立ち上がりから積極的な入りを見せた。前半4分、MF長谷部誠の縦パスを受けたFW本田圭佑が左足でミドルシュートを放つが、GKの正面。同12分にはMF柴崎岳がワンタッチで縦に入れたボールにMF香川真司が反応し、鋭いターンから右足を振り抜いたが、GKが横っ飛びで弾き出した。

 縦に速い攻撃を意識する日本は長谷部、柴崎のダブルボランチが果敢に背後への縦パスを狙い、早いタイミングで遠めからでもフィニッシュまで持ち込む。前半22分に長谷部、同23分には香川がミドルシュート。同24分、右サイドをオーバーラップしたDF酒井宏樹がマイナスに折り返し、香川が右足を振り抜いたが、シュートは大きくクロスバーを越えた。

 引いた相手に対してパスをつないで崩そうとするこれまでの日本代表とは明らかに異なるスタイル。しかし、どこか攻め急いでいるようにも見え、最後の部分が雑になってしまった。前半30分には遅攻から決定機。中央から本田、宇佐美、FW岡崎慎司と細かくつなぎ、岡崎がゴール前に抜け出したが、左足のシュートはGKの好セーブに阻まれた。

 一方的に攻め込みながらゴールの遠い日本。スコアレスで折り返した後半もじりじりとした展開が続いた。後半7分、カウンターから柴崎が持ち上がり、宇佐美に展開。宇佐美は岡崎とのワンツーから右足ミドルを狙ったが、ゴール上に外れた。同10分には太田のアーリークロスから岡崎がヘディングシュート。GKが手に当てたボールはそのままゴール方向に流れたが、GKにゴールラインぎりぎりでかき出され、先制点とはならなかった。

 バヒド・ハリルホジッチ監督は後半16分に動いた。香川に代えてFW大迫勇也を投入。前線で岡崎と大迫が2トップを組む4-4-2にシステムを変更した。後半23分、太田の右CKに本田が飛び込み、完璧なタイミングでヘディングシュートを放ったが、GKイズワン・マフブドが右手1本でスーパーセーブ。同26分には本田の右クロスにDF槙野智章が頭で合わせたが、惜しくも左ポストを叩いた。

 日本は後半26分、柴崎に代えてFW原口元気を送り込む。中盤は長谷部のワンボランチとなり、2列目に右から本田、原口、宇佐美。前線に岡崎と大迫が並ぶ4-1-3-2となった。後半28分には大迫がゴール前絶好の位置でFKを獲得。本田が左足で直接狙ったが、これもクロスバーを直撃した。

 後半31分、本田の左足ミドルもわずかにゴール左へ。どうしても1点を奪えない日本は同33分、宇佐美に代えてFW武藤嘉紀を投入し、交代枠を使い切った。その後もシンガポールを押し込むが、守備を固め、時間を稼ぐ相手を攻め切れない。過去のW杯予選で数々のドラマを生んできた後半アディショナルタイムにもゴールは生まれず、試合はそのまま0-0でタイムアップを迎えた。

 1982年6月の対戦から8連勝中だった格下のシンガポール相手に痛恨のドローに終わり、ハリルホジッチ監督就任からの連勝も3でストップ。W杯アジア2次予選初戦はホームでまさかのドロー発進となり、5万7533人の大観衆からは大ブーイングが巻き起こった。

(取材・文 西山紘平)

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